踊り場から脱却できるか。 日本経済の行方。
拡大する経済。
いまひとつ実感が無いものの、わが国の経済は緩やかな改善を続けているようです。昨年だけ見ますと統計上では国内総生産(GDP)の実質成長率も非常に高く、大手銀行6グループの中間決算の利益はあわせると1兆7千億円超、中間期ではバブル期を上回り過去最高となりました。この好調を牽引したのが米国と中国の景気の拡大で、前半期、失速しかかった国内経済を、米中の景気拡大が引っ張り上げ、「企業利益拡大―設備投資―企業利益拡大」の好循環を生んだわけです。
低迷する個人
しかし、一方で個人消費が依然として弱く、このことが国内需要に大きく依存する中小零細企業の景況を悪いものとしています。
しかしなぜ、企業の利益が拡大しているのに個人の消費が伸びていかないのでしょうか。
その原因は大雑把に言えば3つあります。ひとつは、収益を拡大しているにもかかわらず、大企業は正社員を減らし、パートや派遣社員の割合を高めることで依然として労働賃金を減らそうとしているからです。我が国のフリーターの平均月収は競争が激しいといわれている英国の最低賃金よりさらに低く、派遣社員、フリーターやニートなどの雇用形態の拡大は国全体の個人所得を結果として減少させています。そして所得の減少は当然のように個人消費を冷やします。
個人消費が思うように上がらない理由の二つには、日本の財政状況が悪化している中で、国民が将来の年金などの社会保障に漠然とした不安を強く感じていることにあります。
年金不信、医療費の増額、消費税アップ、定率減税の廃止などという将来に立ち込める暗雲を前にして、消費者は決して財布の紐を緩めません。
三つめに、所得の階層化(二極化)が進んでいるために、「高いもの」と「安いもの」が売れ筋の中心となり、「中間のもの」が売れなくなってきていることがあげられます。高いほうは日本橋の百貨店や高級ブランド品、車ではレクサスやドイツ車など、安いものはドンキホーテやユニクロなどと、極端に高いもの安いものは売れているのですが、従来商店街や個人商店などで扱ってきた中間的なものが売れないとう状況が生まれています。
しかし、本年一年はそのような長期的な不安要素はあるものの、短期的には「株価上昇―消費拡大―景気本格回復―株価上昇」の好循環の基調が生まれることが予想されます。したがって、経済の大きな流れは「マイナス」から「プラス」に転じようとしているということは確実にいえますので、中小零細企業にとっても、厳しい現状を打開する千載一遇の好機としたいところであります。
どうか今年一年中小企業経営者の皆様にはここは是非とも「プラス思考」に転じてもらい責めの姿勢で今年一年を乗り切っていただきたいと切に願います。
調査協力 スリーネーションリサーチ
