中山よしかつ / 中小企業支援センター 公式サイト

活動報告

2003/03/07 経済産業委員会

中山質疑全文

 法案名:
 

参考人出頭要求に関する件
 株式会社産業再生機構法案(内閣提出第三号)
 株式会社産業再生機構法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第四号)
 産業活力再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)

 

●村田委員長
 中山義活君。

●中山(義)委員
 おはようございます。
 参考人の皆さん、ありがとうございます、お忙しいところを。
 基本的に、今の現状を考えてみますと、いわゆるデフレと言われておりまして、その原因はやはり不況だと思うんですね。この不況をつくった今の政府は、結局こうやってどちらかといえば緊縮的に行っている。そういう面では、当然清算ということになってくるわけですね。
 この不況によって多くの企業が苦しんでいることは事実でございますが、先生方の方で、どうも財政出動をしたり金融政策で緩和政策をとると、かえって企業は甘えて本来の清算をしなくなってしまうというようなことが、若干対談の中で私かいま見えたんですが、基本的に、今の政府のやっている不良債権の回収の加速とか、こういう問題が社会に非常に大きな影響を与えているということをまず考えなきゃいけないと思うんですね。
 清算という前に一回景気をよくするというようなことについて、お三人のそれぞれ意見をまず聞きたいと思いますので、よろしくお願いします。田作さんから。

●田作参考人
 同感でございます。私は、あらゆるところで、不良債権処理をやったからといって景気がよくなるはずがないということを公言しております。これはどこの国を見ましても、必ず、不良債権処理をやるときは並行して景気対策をやっております。
 アメリカでいえば、九〇年代前半のRTC設立によるSアンドL問題の解決のときは、当時のブッシュ大統領、今の方のお父さんが金融緩和をなさって、九二年から地価が上がりました。それだから、九五年に終わったわけです。それから、お隣の韓国は、運よくITバブルが九八年から起こりましたので、ここが雇用の吸収に資するという面が多分にありました。そうであるからこそ、あれだけ財閥の解体にまで踏み込むほどの、IMFのプレッシャーのもとでの強硬策も何とか先に進むことができました。それから、スウェーデンの場合もやはり九〇年代前半、金融緩和をやりましたので、通貨安になりまして、これが貿易を通して景気回復に資したという面がございます。
 ですから、不良債権処理はもちろん必要ではありますが、必ずどこの国でもあわせて景気対策をやっているという現実がございます。
 ただ、我が国の場合、九〇年代の、九二、三年ならまだしも、ここまで来るとちょっと打つ手がなくなってきているのは事実でございまして、そうはいいながら、デフレをとめるというコミットを短期的にしながら中長期的には労働集約的な別の産業構造をつくり出していくことで将来の不安を解消し、かつ、労働集約的であるがゆえに雇用の吸収にも資するという産業構造の変換、それに伴う規制改革ということを並行してやっていく必要があるということは、私も同感でございます。

●坂井参考人
 私も全く同意見でございます。不良債権の処理、これはもちろん必要なことでありますけれども、同時に、そのことによって発生してくる可能性のある失業、こういったものがなくなるように、少しでも雇用を吸収できるように、景気対策といったものが同時に必要になってくるだろう、これは確かにそのとおりだと思います。
 ただ、それが財政としてどのような政策手段があるのか、金融上どのような手段があるのか、これは私申しわけありませんけれどもエコノミストじゃないのでよくわかりませんが、総論的にはまさしく御指摘のとおりだと思います。
 以上です。

●成川参考人
 私も、中山先生がおっしゃるように、まずこのデフレ不況をどう克服するかという対策がしっかり打たれるということが大事だ、こういうふうに思っております。
 不良債権処理だけで今の不況克服はできない、これは明らかでありまして、また、不良債権自身がデフレの中で不良債権を生んでいく、こういうことでございますので、これをしっかり対策を打たなきゃいけない。やはりそれは、マクロの政策で景気の回復に持っていく、これが大事だと思います。確かに財政面でいろいろ問題はありますが、一番今国民が感じている不安を解消していく、こういうマクロの政策を財政政策でしっかりやっていただく。
 私どもは、社会保障に対して国民の安心できるような基盤を構築する、あるいは雇用について政府が責任を持って失業を下げていくという対策をやるなど、こういうマクロの政策をやる、あわせて金融の緩和策をやるということが大事である、こういうふうに思っております。

●中山(義)委員
 政府は、今まで、不良債権の回収の加速がいかにも景気対策につながるような表現を、特に総理がやっていたわけです。これをスローガンに掲げていましたから。しかし、私は、そうではないということを今先生方から聞いて、同じ考えだと思って安心はしました。
 しかし、再生という名のもとに、むしろ清算といいますか均衡縮小に向かうような再生機構というのは非常に問題があると思うんですが、再生機構というものをつくったのは、むしろ、金融再生プラン、これを何かばんばんやっていくとまずいから、何かアリバイづくりに、いや産業の再生も同時にやっているんだというような、政府のそんな意図も見え隠れするわけですが、基本的に一番大事なのは今の現状だと思うんですね。ここまで来ちゃったらどうするかということも、同時に大切なわけです。
 実は、大企業はまだ銀行との関係が拮抗していますが、中小企業になりますと、同じような状況になったときに何が起こるかというと、貸しはがしなんです。だから、まだ再生機構なんかに行く前に、貸しはがしが行われる。この貸しはがしという現象は、今この再生機構にとってどういうふうに考えられますか。貸しはがしをばんばんやられたら話も何もなくて、銀行といわゆる会社と、既にそこで話が終わってしまうんですね。
 私たち考えてみれば、産業再生機構というのがあって、そこに駆け込めば自分の産業が再生されて、病院に入って病気が治って出てくる。こういうわけにいかないわけですね。その前に、病院に入る前にぶっ倒されちゃうという、ここは一番心配なんですが、この貸しはがし現象という問題に関して、企業と銀行の関係について、それぞれ先生方、もう一度お願いします。

●田作参考人
 貸しはがしについては非常にいろいろなことが報道されておりまして、私も実は、先般、大阪と仙台へ行って事情聴取してまいりました。そこでわかったことは、確かにおっしゃるように一部の銀行は、例えば自己資本比率を維持したいがゆえにリスクアセットを減らさなきゃいけない、だから回収できるところから回収している、こういう面は確かにございます。
 ただし、それとあわせてもう一つは、やはり、長引く不況の中で金融機関はこれ以上一円たりとも不良債権をふやしてはいけないと言われますと、昔であれば、思い切ってリスクをとって地域の産業を育成するためにお金を出そうと思っていたのが、萎縮してしまって、一円たりともふやしてはいけないならやめておこうというような感じになりますし、期限が来たら、延長するよりは回収しようという行動に出ます。これはやはり、合理的な行動をとれと言われればそうなると思うんですね。ですから、この後者の要因が結構目立ちました。
 私は、そこで考えましたのは、そうであるがゆえに、確かにやはり、不良債権処理というものをある程度進めて、銀行が不良債権から身軽になって、また思い切ってそういう地域の活性化のためにお金を出せるような仕組みをつくらなければいけないと感じた次第であります。そのことは、決して金融機関から不良債権を高値で買って金融機関を身軽にしてやるという意味では全然ございません。むしろ厳しく引き当てを要求していく。そんな中で、引き当てをさせられても、自分の帳簿に残しておくくらいならこれを切り離して、産業再生機構なりRCCなりへ持っていって、関係当事者も全部巻き込んで合理的な再生計画に持っていく方がいいんじゃないかというふうに行動する、そういう仕組みをつくったつもりだろうと思うわけですね。
 それから、あわせまして、RCCがむしろ、今度はとりわけ中小企業についてはそういう機能をさらに発揮すべきだというのが私の持論でございます。先ほど申しましたように、RCCというとすぐ回収だとか、RCC送りだからもうあそこへ行ったら破綻だ、倒産だというふうに思われるんですが、実は私、坂井参考人と一緒にRCCの企業再生検討委員会の委員をやっておりまして、そこでいろいろな中小企業の立て直しを幾つもやっております。これは、本来ならば、一部の金融機関がそれこそ貸しはがしに走ろうとした、ところが、別の金融機関はそれはやり過ぎだろうと思ってけんかになってしまった、こんなような案件が多いんです。
 そういうものをRCCへ持ってこられたら、RCCは国営の債権回収会社として再生機能も持ちながら、そういうところに一種仲介者として入って権利調整をやるわけですね。それなりに立て直せるものなら立て直せということで説得交渉にも入りますし、場合によったら、出るところへ出て、法的整理を通してでもそういうことを実現しますよということをかなり高飛車に交渉すれば、金融機関同士だったらけんかに終わっていたのが比較的まとまるわけですね。それで、中小企業として再生の道を歩んでいるケースは幾つもございます。
 ですから、私はやはり、今後はRCCの方も、破綻懸念先以下どころか要管理先でも、とりわけ中小企業について全国レベルでそういう機能を果たしていっていただきたい。それから、御承知のとおり、今商工会議所を中心として、全国の主な都市でそういう体制も整えつつありますので、私は、こういう中小企業問題に対応する論点も含みながら、この産業再生機構というものを広い文脈の中でとらえていくことが必要だろうと考えております。

●坂井参考人
 中小企業に対する与信の問題につきましては、非常に大切な問題であろうと私も思います。ただ、一私企業であるところの金融機関、銀行に対して余りにも過度の期待をいたしますと、かえって銀行のモラルハザードを招きはしないかということも、逆に懸念するわけでございます。
 したがいまして、ではどうすれば中小企業の再生を後押しすることができるのか、どういった面から与信面から後押しができるのかといいますと、そういった通常の私企業対私企業の金の貸し借りだけではなくて、別途のファイナンスの手段といったものも考えてあげる必要があるんだろうというふうに思います。
 例えば、法的手続に入っている会社、これは以前は与信を受けるということはほとんど不可能だったわけでございますけれども、現在では、御承知のように、いわゆるDIPファイナンスと呼ばれるような制度もございまして、法的手続に仮に入ってしまったとしましても、そこに対する与信というものが行われるという世の中になってきております。まして、法的手続に入る前の中小企業の方が早目に着手してさえおられれば、そこに対する与信というものは、通常の従前からの金融機関からの与信とはまた別途の枠組みで可能になってきている。そういう枠組みが徐々にできつつあるんではないんだろうかというふうに理解しております。

●成川参考人
 貸しはがし問題は、労働組合にもいろいろ相談が入ってございます。労働組合自身で調査したところによりますと、中堅、中小企業を中心にしまして、一割以上のところが、金融機関からの貸し出し条件の切り下げ、それに伴って労働条件等の切り下げを求められているというふうなアンケートも我々はしたところでございます。
 一つは、我々の中に地方の銀行自身の労働組合もあるわけでございますが、今の金融の検査のシステムが非常に大手行と同じような金融の検査をやられており、地域の中小企業と銀行との融資関係をなかなか維持できない、こういう点も指摘されておりまして、やはり、もう少ししっかり地域の金融に合った形での検査、あるいは中小企業とともに生きていかなければ地域の銀行自身が維持また成長できないわけでございまして、それらを見据えた検査のあり方なども工夫をしていかなければならない、こう思っておるところであります。
 また、企業の再生に、落ち込んでしまっているところについては、今御指摘ありましたように、DIPファイナンス等、担保なしでもちゃんとできるというふうな手だてをより強く強めるということも大事である、こう思っております。

●中山(義)委員
 わかりました。
 今度は、対象の企業の選び方なんですが、本当にすばらしい会社というのは、大体債務はどんどん銀行に返しちゃって、むしろ最近は、社債を発行して自分たちで勝手にやっていける、銀行を会社の中に持っているような、もう一流会社はそうですよ。銀行とやっていくというのは、だんだん中小企業の比率が今後ふえていくという可能性もあるわけですね。
 そういう面では、先ほど田作先生のお話だと、中小企業はRCCに行ってちょうだい、大きなところは産業再生機構でやりましょうというような話にちょっと聞こえちゃったんです、これは私の耳の錯覚のせいかどうかわからないんですが。どちらかというと、中小企業というのは銀行にすごく弱い立場にあるわけですね。これは、もともと不良債権の回収を強く推し進めた、その結果としてデフレが起きて、そのデフレが原因で今中小企業が苦しめられているわけですが、どうも銀行の方が優越的な地位にあるわけですね。
 この関係のままやっていると、確かに中小企業はRCCに送り込まれちゃう。しかし、まだまだ銀行と拮抗的な力を持っているところはそこと二人で、企業と銀行と一緒に相談をしてやっと再生機構に来る、こういうことなんですが、そのすみ分けみたいなものを考えちゃっているんでしょうかね。田作先生、お願いします。

●田作参考人
 私は決して大企業が産業再生機構、中小企業がRCCという趣旨で申し上げたわけではございませんで、むしろ産業再生機構というのは、御承知のとおり、今回約五年をめどに一気に現在の問題を解決しようというためにできたものでございますね。それに対してRCCは、こちらももちろん時限立法ではございますが、かなり新しい再生機能を持ちながら、今後ともある程度息を長くやっていくことが想定されているわけです。そういうことであれば、むしろ、各地域で末永く地元の金融機関とつき合いを続けていかれる中小企業にもふさわしいのではないかという趣旨で申し上げたのが一つ。
 それから、RCC送りというのは、決してRCCへ中小企業を送り込んでそこで回収するという意味ではなくて、くどいようでございますが、坂井参考人や私が行っている企業再生検討委員会で中小企業の立て直しを支援するという趣旨でRCCの調整機能を活用したらどうかという趣旨で申し上げた次第でございます。
 それから、中小企業に対して同じ検査をやって厳しい査定をやっているという御指摘もございましたが、実は私、金融庁の顧問も非常勤でやっておりまして、先ほど大阪、仙台へ行ってきたというのも金融審議会の意見聴取のために行ってきたんですが、やはり、どちらへ行きましてもかなり共通の意見が出ました。地元の金融機関というのは、お金を貸しているというよりは、非常に息の長いパートナーとして、ほとんど出資に近い形でやっているんだ、こういう御指摘でございました。
 そうであれば、むしろ、先ほど御指摘にあったような、銀行が非常に優越的な地位にあって、中小企業はその力のもとに服しているという関係をなるべく変えていって、本当に対等なパートナーとして、出資者に近い形で扱っていく。
 それから、さらに言えば、出資なら出資にするべきだというのが私の意見です。つまり、金を貸しているんじゃなくて、出資して株主になっているから、それなりにパートナーとして一蓮託生になるわけですから、そうであれば、一種、地域再生ファンドのようなものをつくって、銀行もそのファンドを管理するファンドマネジャーに徹して、預金者の方も、銀行へ預金を預けて少ししか金利がつかないというよりは、地元の企業のためにそういうものを回して、そのかわり、少しはそこから上がった収益をそのファンドを通して高目に配当してもらうとか、そういう仕組みもつくっていくことが必要だろうと思います。
 それから、中小企業の検査につきましても、ちょっと金融庁の弁護をすれば、中小企業検査マニュアルというものを別途つくりまして、個人と企業が一体になっている面を実態で見ていったり、あるいは将来の技術力だとか、今までの過去の財務諸表だけじゃなくて今後の予測に反映させられそうな要因も勘案して、検査をするような体制をつくっております。
 以上でございます。

●中山(義)委員
 時間がないので、今の御意見についてもなかなか、賛同する部分もありまして、本当に、信用金庫さんとか信用組合とか地域でやっているものはやはり運命共同体だと思うんですね。だから、本当に、地域の産業がつぶれたら、信用金庫さんもつぶれてもおかしくない、私はそう思うんです。そのくらいのパートナーシップを持っていかなければ地域はもたないと思うんです。
 どちらにしても、やはり、小さいところはRCCで大きいところは産業再生機構でというような感じがどうもありまして、その企業の選択に裁量の余地があるところに、我々非常に心配なんですが、いろいろ、裁量というところでは、さっきお話があったように、出るところに出ますよと。裁判所に行けばいわゆる法的整理が待っているわけですが、この方が裁量がないわけですね。法的な整理ですから。ルールが決まっているわけですから。ところが、産業再生機構ではかなり裁量というものが重要視される。この裁量の最終的な責任者は、だれがとるのか。
 これはもう、一言でいいですから、だれがとるべきか、一言ずつちょっとお願いしたいと思います。

●田作参考人
 最終的には産業再生機構の株主だと思います。

●坂井参考人
 経済的にいえば、今のお話のように株主になりますね。それから、ディシジョンメーキングの責任という意味におきましては、やはり産業再生機構そのもの、あるいはそのディシジョンメーカーだろうと思います。

●成川参考人
 基本的には、産業再生機構が間に立ってこの事業再生計画をつくる、こういうことなので、これはやはり産業再生機構の責任になる、こう思います。
 したがいまして、私としては、ぜひ、そのときの審査等のルールを事前に明確にして国民に示す必要がある、こう思っていることでございます。

●中山(義)委員
 最後にちょっと、成川さんのお話のように、ルールを明確化するということがすごく大事だと思うんですね。今言っている責任の所在というのをはっきりさせていただいて、やはりルールに基づいてやっている。それがどうも、裁量で、政治家まで介入して何かうまいことやったというような印象が絶対ないようなシステムが大切だ、私はこのように申し上げまして、参考人の皆さんの質疑を終わりたいと思います。
 きょうはどうもありがとうございました。


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