2003/03/14 経済産業委員会
中山質疑全文
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本日の会議に付した案件 |
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●村田委員長
中山義活君。
●中山(義)委員
今、河野太郎君がいろいろ質問いたしまして、国がこの事業に携わって、我々はこれはあくまでも私的整理だという見解でやっておりますが、その中で、今いろいろなお話がありましたね。この今の状況というのは緊急事態だからやっているというふうに私は見ているんですね。これが二年で買い取って五年で売却するという話ですが、つまりこの五年間で終わるということですね。それは確約できますか。
●谷垣国務大臣
機構は、平成十七年三月三十一日までに債権買い取りの申し込みがあった債権を買い取る、それで、買い取った債権等は買い取り決定の日から三年以内に処分を行うように努めなければならない、こういうふうにしておりまして、その業務が完了した時点で解散することとしておりますので、存続期間は五年程度、こういうことでございます。
そして、確かに、今委員がおっしゃいましたように、それから今までの御議論にもありましたように、民間でどんどん進んでいくんならやる必要はないわけでございまして、一種の危機意識と申しますか非常事態という認識がございますので、こういうものをつくる、だから決してずるずるといつまでも存続させるということは考えていない、こういうことでございます。
●中山(義)委員
緊急事態というのは、よほど今、政府の方々がなぜ緊急事態になったかというのは一番おわかりだと思うんですが。
先ほどちょっと気になったんですが、きのうからも、どんと企業者を押して、いわゆる再生を進める弾みをつけるという話がありますね。これ、どんというのはどういうことなんですか。例えば金融機関の査定を厳しくして、がりがりやって、がりがりやった結果、どうしても不良債権は回収しなきゃならないような状況に銀行を追い込んでおって、それで破綻懸念先の事業者が焦ってこういう機構へ持ち込んでくる、こういう意味ですか。まず金融機関をがりがりやると、肩を押したことになるんですか。どういうことですか。
●谷垣国務大臣
このどんというのもちょっと例えですので、正確な例えになったかどうか、今委員のお話を伺って、ちょっとどうだったかなという気もございます。
それで、一方には、確かに流れとして、不良債権の査定を厳格にしていくという流れがございますから、当然そういうことも我々は見据えていることも事実でございます。しかし、他方、本来民間でスムーズに進むべきものも、いろいろな障害から進んでいかない事態がある。先ほどのお話のように、どこに相談を持っていっていいかわからない事態もある。あるいは、違う銀行間の合併というのもなかなか進まない場合がある。金融機関のいろいろな利害調整が難しい場合もある。そういうようなことの障害を取り払うことによって加速させることができるならば、こういう意味でございます。
●中山(義)委員
金融再生プランとこれは表裏一体みたいな形になっていますね、どうも。私どもが先ほどから聞いているのは、金融再生プランで銀行を厳しく査定して、そして不良債権を追い出すというようなふうに聞こえてしようがないんですね。
だから、本来であれば、今の時期に、この不況の時期に、デフレの時期にこんなに査定を厳しくするということは、逆に言えば、企業者が、事業者が、あえて倒産しなくてもいいようなものが市場から追い出される、こういう状況をつくっている。だから、むしろ金融再生プランをもっと穏やかに、不況対策をしっかりやりながらやっていった方が、あとは民間同士で私的整理の方が私は正しいんじゃないかと思うんですが。
山の登り方を例えれば、例えば植草一秀さんみたく、滝くぐりの北壁を、氷の壁を登っているようなものだ。つまり、不良債権の回収であるとか、デフレの状況であるとか、いろいろな厳しい状況をつくっている。むしろ、南の壁の高原ルートを、不況対策をやりながらゆっくり行った方がいいんじゃないかという説も出ているわけですよ。皆さんのところの政党の中からも五十兆円の公共事業であるとか何であるとかいろいろな話が出ていますよ。これは、やはり南風の吹く、春風の吹く高原ルートを行った方がいいんじゃないか、何でこんな厳しい北壁ルートを行くんだと。
つまり、金融再生プランで銀行をがりがりがりがりいじめておいて、不良債権を出して、そこを一回国が受けとめてそれを売却していくというようなものは非常に危険だし、むだな一つの大きな事業をしょい込んだと。先ほどから河野太郎君の話でもありますが、その機構が本当に機能するのかということ自身がすごく心配なわけですよ。
この間、田作さんが言っていたのは、買い取ったいわゆる大きな債権を売りやすくするというような形、一つはまた、いろいろな意味で買い取った機構の複雑さを単純にして陳列棚に並べてファイナンスに買ってもらうというような、そういうことを言っていましたけれども、果たしてそんなことは可能かなと私は思うわけでございまして、むしろ、その前の不況対策等がすごく大事だと思うんですね。
もともと、私もずっと年間予算を見ていますと、大体一九九〇年ぐらいは八十九兆円ぐらいの年間予算だったんですね。それがだんだんだんだん下がってきて、二〇〇一年には八十五兆円ぐらいですかね。それで二〇〇二年に八十一兆円、こう下がってくるわけですよ。そうすると、やはり経済が縮小均衡に向かっていることは間違いないわけですね。しかも、清算とか回収とか、不良債権の特に回収の加速なんというのは、まさに緊縮財政を進んでいるんじゃないか。これは、やはり今までやってきた自民党の政治に対してアンチテーゼとして小泉さんが三十兆円の枠を決めてみたり、緊縮財政をやっていくんだと。
きのうのテレビでずっと何回も小泉さん出てきましたけれども、一切政策転換はしないと言っているんですよ。しかし、私は、不良債権の回収とかこういう問題については、同時に不況対策をやっていかなきゃ不可能だと思うんですよね。どんどんどんどん縮小均衡に向かっている、これしか考えられないんですが、今度の再生機構というところは、そういう面では再生して拡大均衡というか、そういうことは全然考えていなくて、これはあくまでも清算する、そういう機構なのか、その辺、どうなんですか。
●谷垣国務大臣
全体としては、やはり小泉内閣で、構造改革をいろいろな面で進めていく、加速させていくということがございまして、その一環であるという位置づけだろうと思います。
しかし、じゃ、全部清算していくんだ、こういうことではありませんで、基本認識として、日本の中には有効な経営資源を持ちながら過剰な債務で足をとられているというところがたくさんあるわけですから、その中で過剰な債務を引き離して、有効な経営資源に自由に動いてもらうようにしよう、こういうことができてくれば、当然経済にもよい影響を与えていくというふうに考えております。
●中山(義)委員
今の理論は理論として、平沼大臣、やはり今この状況は、株価から見ても特殊な状況だと思うんですね。緊急事態だと思うんです。いわゆる有事法制みたいなもので、いざ有事があったら何をするかというその中の同じような観点から見ると、完全な私は有事だと思うんですよ。そういう面で緊急的にこういう制度を使うならば、私はそれなりに意味があると思いますが、本来は私的整理ですから、国がかかわるべきじゃないと思うんですね。
ですから、大臣、これは、経済産業省の立場とすれば、経済の状況が普通なんだ、普通の中でやっているんだというのか、緊急事態なのか、この辺の見解はどうですか。
●平沼国務大臣
私どもは、従来、産業再生法というものを制定して、そしてこの国の経済の活性化のためにその法律を用意したところです。
しかし、今回、この機構と並行して抜本改正をお願いしたということは、やはり今この国の経済には、一つは、今中山先生から御指摘がある不良債務の問題が非常に大きな手かせ足かせになっているという問題、それから、この国の産業のいわゆる過剰供給構造、こういった問題があって、ここのところを解決しないと本当の経済の再生、活性化ができない。ある意味では非常事態だ、こういう認識で法改正もお願いをしている、こういうことでございます。
●中山(義)委員
この間の参考人の話でも、不良債権の回収というのは、必ず不況対策をやっていくべきだ、一緒にやるべきだという話をそのときもしていましたよね。ですから、私は、そういう面では、順序がどっちかわかりませんが、現在がやはり緊急事態だということは、要するに小泉さんのやってきた経済政策は間違っていたという結論でこれが出てきた、こう思うんです。
お二人の大臣にぜひ聞きたいんですけれども、これは小泉さんの失政の結果、こういう緊急事態。今緊急事態と大臣もおっしゃった。この緊急事態をつくったのは小泉の失政だ、こういうふうに言ってください。言わないと、これは、私は、どうも、さっき緊急事態だとはおかしいじゃありませんか。
だから、緊急事態と言ったことは、要するに、小泉さんのいわゆる経済政策が失敗したんだ、だから緊急事態なんだ、だからやらなきゃいけないんだ、こういう結論だと思うんですが、どうでしょうか。
●平沼国務大臣
小泉総理は、就任以来、それを引き受けたところからバブルが崩壊をして、そしてその後遺症で、日本の経済はその時点から非常に厳しいものがありました。私は、そのときから緊急事態だ、こういうふうに思っています。
そういう中で、やはり従前の手法でやってくることは限界がある、そういうことで、構造改革なくして景気の成長はない。そして、そういう一つの基本方針の中で彼は一生懸命に頑張ってきたと思っています。
ですから、そういう中で、就任以来、数年は非常に厳しいことがあるけれども、しかし、やるべきことをやれば必ずそこは乗り越えて新しい局面が開かれるんだ、こういう一貫した姿勢でやっているわけでありまして、今回も、緊急事態でありますけれども、こういった産業サイドにおけるいわゆる過剰供給構造でありますとか、あるいは金融サイドの不良債権の問題、こういったものを、やはり今は厳しいけれども改革をしていく、だから、その途上にある、こういうことを私は思っております。
例えば、英国病と言われた英国におきましても、サッチャーという人が登場してきてサッチャリズムという形で、彼女は十一年英国の首相の座にいました。しかし、最初の四、五年は大変厳しい状況でありましたし、またアメリカにおいても、七〇年代後半から三つ子の赤字、これを脱却するためにレーガノミックスというのをやったけれども、最初の四、五年は、お互いに経験していますけれども、惨たんたるありさまだった。そういう中で、国民の協力をいただいて、そしてそれを乗り越えて繁栄の九〇年代を迎えられた、こういうことでございます。
ですから、私が申し上げた、今非常事態というのは、本当に受け継いだときから厳しい状況の中で今一生懸命頑張っている、こういうふうに御理解をいただければ、こういうふうに思っています。
●谷垣国務大臣
私も平沼大臣とほぼ同様の認識でございまして、同じことを繰り返すことは避けますが、あの右肩上がりの時代と現在では明らかに経営環境が違っておりまして、過剰債務を抱えているという意味合いも全然変わってきているんだろうと思います。
したがいまして、その緊急事態という意味は、一種のスピード感がないと、今までの過剰債務がさらにさらに重くなっていって、有用な経営資源も腐ってしまうし雇用にもさらに大きな悪影響を与えていく、その取引先にも大きな影響を及ぼしていく。ここをスピード感を持って乗り切らなくてはならぬ、こういうことなのではないかと思っております。
●中山(義)委員
谷垣担当大臣は、緊急事態、小泉内閣のつくった緊急事態をおれが変えてやる、こういう意気込みだということで、ある意味でははっきりここで、小泉の、また竹中政策が間違った、経済政策が間違ったというような言い方にも聞こえるんですね。私は、それだけの決意を持って、その失政を何とかするというような発言にも聞こえました。
それから、平沼大臣もやはり内々では恐らく亀井さんに近いことをお考えになって、財政出動は全くないという考えは私はおかしいと思うんですよ。
だから、財政出動が悪という、要するに小渕内閣のアンチテーゼで、小泉さんが出てきたときには、公共事業は悪い、こういう気持ちでやっていたと思うんですよ。あの当時やはり、田中知事じゃないけれども脱ダム宣言とか、ああいうようなのが受け入れられていますね。構造改革と言うと、すごくみんなわあっと喜ぶわけですよ。構造改革なくして景気回復なし、我々はその逆だと思っていますが、ただ、逆だと言っていると亀井さんと一緒になっちゃうんです、我々も。
ただ、公共事業の質が問題でありまして、公共事業の質というのは、やはり予算を組み替えて、より乗数効果のあるところに予算をつぎ込まなきゃいけないというのが我々の考えでございますので、ここまでの話は、要するに、今までの小泉・竹中路線の失敗を何とか谷垣担当大臣がここで企業を再生して利益を上げていくんだ、こういうように私は聞きました。そういうふうに結論づけて、さらにお願いがあるわけでございます。
景気のいい時代には、銀行は、金を貸そう、金を貸そうとしたんですね。私どもの近くのところにもこういう話があった。社長、社長のところにお金を貸したいんだ、なぜかといえば、あなたの土地はすごい高い、銀座の一等地だ、このままいったら相続で大変ですよ、おたくに二十億貸すから十五階のビルを建てなさい、テナントは全部うちで紹介します、十五年たったら全部あなたのもの、こんなうまい話ないでしょうと銀行が金を貸したんですが、今どうでしょうか。この一階はしにせがやっているんです。今の事業もちゃんと利益が上がっています。しかし、これは要破綻懸念先債権とか金利が払えなくなったということでそうなって、どんどん借金の返済を迫られる、こういう状況があります。
こういう状況の人は再生機構で救えますか。
●谷垣国務大臣
これは、個々の実態を見ないと判断できないことでございますけれども、やはりそこが、本業としてこれからも付加価値を生み得るような技術力なり、あるいは人材の力なり、そういうものを持っていて、そして、いろいろなところにメスを入れる場合もあるでしょう、そういうことによって十分再生が可能であると判断できれば、私どもは、そういうところの再生のお役に立ちたい、こういう気持ちでおります。
●中山(義)委員
下町の西川副大臣に聞きたいんですが、こういうケース、下町は多いですね。しかも、しにせが世代交代をして自分の息子に仕事をさせたいというときに、今の実情は、要するに借金の返済に大変困って、それを売らなきゃならないという状況もあるわけです。
しかし、本来であれば、本業だけはうまくいっているんですよ。全部つぶしちゃって、さっき言った個人保証までしていて、どこかへ夜逃げしちゃうとか自殺するとか、何とかこういうことにならないように、本業がうまくいって、本業が利益上がっているんですから、これはぜひとも救ってあげなきゃいけないんですが、西川大臣、私と同じ下町の気持ちで、ひとつ快い答弁を。RCCに回すなんということを言わないように、ひとつ。
〔委員長退席、竹本委員長代理着席〕
●西川副大臣
中小企業再生支援協議会というものがありますね、今度お認めいただいているわけであります。これが今度の御決裁をいただいて予算がつくと、例えばRCCに回されるとか、それから谷垣大臣の方に回されるとか、それと同じように中小企業に対しても、政府系金融機関、例えば中小公庫とか商工中金から再生支援のための融資というのができるわけです。ただし、これはモラルハザードに陥らないように、さっき谷垣大臣から御答弁がございましたように、改正ROCとかいろいろなものを物差しにしながら、それらの条件を満たしたものについてはきちっとやれると。
私、先生と同じようにいろいろな御相談を受けておりますけれども、確かに銀行がうまい話を並べ立てて、もう手のひら返したように、とんでもない御苦労を高齢者の方にかけたりしている例を幾らも知っています。そういうことで、銀行に乗り込んで言うと、くるくる相手を変えて逃げるんですね。もうとんでもないやつらだと、はっきり言って思っていますよ。
だけれども、思ってはいるけれども、しかし、私はやはり借りる方にも責任はあると思いますよ。やはりこれは自由主義経済で、個人の責任において、やはりハイリターンを期待するならハイリスクというのは当然あるわけなので、そこのところを捨象しちゃって、結果だけ見て、金融機関の口車に乗った人が気の毒だ、気の毒だと言うだけでは済まないところがある。
したがって、くどくなりましたが、きちっとした物差しを当てて、さっき言った、再生が可能で、そしてもうけていただいて、納税もしていただける、社会にも貢献する、こういう企業を救っていくために公的なお金を使うということは許されるんじゃないか。その基準が大事だ。
だから、気持ちとしては先生と同じで、先生だって、だれでもかれでも無責任に救えとおっしゃっているんじゃないと思っておりまして、全く同じだと思っております。
●中山(義)委員
そこで、要するに、銀行が中小企業者よりも優越的な地位にあることは間違いないんですよ。これを乱用しているんですね。だから、私は公取の委員長にもこの間話をしましたら、非常にそういう疑いはあると言ってくれたんです。ただ、個別にいろいろなことがありますので、それは個別で対応しなきゃわからないと言いましたけれども。銀行が優越的な地位にあって、今まで、急に金利を上げるよとか担保をもうちょっとよこせとか保証人をもっとつけろとか、いろいろなことを言ってくるんですよ。
しかし、初めの時点で借り手と貸し手がつくった契約は、本当はそのまま契約としてずうっといかなければいけないわけですね。担保だって、とったときにはそれだけの金額があるということで、貸した方はその担保を満額で考えてお金を貸したわけですよ。ところが、担保が目減りしていくというと、その減った分の借金は返済しろ、こう来るわけですね。
だから、契約からいえば、初めの担保に入れた時点で、その担保は借りたお金に相当していなきゃおかしいわけですね。そういう契約を結んでいるわけなんです。ところが、それがそのままいかないということは、借り手に責任があるのか貸し手に責任があるのかといったら、私は五分五分だと思うんですよ。五分五分だと思うんです。ところが、銀行の方が強くて、返済を迫る。おかしいと思うんですね。
だから、貸し手の責任というのは、これは相当よく考えていただかないと、今度の機構で中小企業でも十分対応できますと言いますが、そのような状況になったときはもう貸しはがされちゃうんですよ。つまり、困ったような状況でそちらへ相談に行こうなんて思って、企業と銀行が相談できるような状況じゃないんです。そういう状況になったときにはもう貸しはがしで来るわけですよ。
ここにやはり問題があるので、貸しはがしの問題というのは、今回の再生機構の中でどういうふうにとらえていますか。もし、この貸しはがしは必要ない、こんな貸しはがしが法的におかしいというのであれば、中小企業は何もそこへ行く必要はないんですが、もし貸しはがしを受けるようであったら、やはり相談に行ったときに相談に乗ってもらいたいんですね。
●西川副大臣
全く同じ問題意識でございまして、したがって、セーフティーネット融資を拡充する。そして、私どもは中小企業庁の職員を全国に調査に行かせまして、六百七十八銘柄があるわけですね。そのうちの、今月中に三つふやしますから四百三十六になるんですが、約六割、こういうところ、だから都市銀行は全部入ります。それから、第二地銀は八割、信用金庫は八割、信用組合は五割、こういうところを指定金融機関にしました。
それはどういうのかというと、最近合併をして店舗の数が減ったとか、従業員の首を七%以上切ったとか、それから、先生おっしゃるとおり、貸し出しが減ったとか、貸しはがしを迫っているとか、こういうところを指定金融機関にしまして対応する、こういうことでありますから、そういう現実をしっかり見て、この再生機構は、ポリシーミックスといいますか、いろいろなことで総合的に救っていこう、こう思っております。
●中山(義)委員
そこでなんですが、では、不良債権をはっきりとさせて、顕在化させてそれを処理していこうということだと思うんですが、不良債権の質なんですけれども、バブルが終わった当時、バブルの清算は土地だったんですよね、不良債権というと。これは、投げ売りすれば済んだんですよ、ある意味では。
両大臣に聞きますけれども、今の不良債権というのはどういうことを想定しているんですか。どういうものが不良債権なんですか。土地ですか、それとも設備ですか、何ですか。ちょっとはっきりしてください、この辺。
●高市副大臣
先生おっしゃるとおり、確かにバブルのころの不良債権と今のは変質していると思います。
一九八〇年代の後半に全国銀行ベースでわっと増大した貸出残高ですけれども、これは大体百十兆円ございました。一九九二年から二〇〇一年度まで約十年間で九十兆円不良債権の処理が進んでいるということから考えても、バブル崩壊によるショック、不良債権問題と現在のは変質をしていると思います。
確かに、先生おっしゃったように、当時は土地、不動産に対して銀行がどんどん貸し出しをした。それが地価が下落したことで不良債権となった。今も確かにそれはあります。金融サイドの問題としては、土地という問題は、特に資産デフレが進んでいますから、優良債権も不良債権に変わっていく。
土地という問題もありますけれども、現在はむしろ、為替の問題もありますから、外国から安いものが入ってくるですとか、それから産業構造の転換に乗りおくれちゃった。要は、企業の競争力そのものが低下しているということで、生産サイドの不良債権、生産サイドの要因、これが今の不良債権の根本的な問題だと思っております。
ですから、当然設備もそれに当たるでしょうし、企業の持っているプロジェクト、そういったこれからのプランに関してもそういうものに当たってくると思います。
●中山(義)委員
これは株式会社ですから、不良債権というのが何だか規定してくれないと、定義がないと困るんですね。
最後に売らなきゃいけないわけですね。参考人の方たちのお話では、つまり、でっかいものを整理したり、または複雑なものを整理して、陳列棚に並べてファイナンスに買ってもらうというような言い方なんですよね。だから、その陳列棚に並んでいるものというのは一体何なのかよくわからないんですよ、我々も。どういうものが債権で、むだなものは何なのか、残った債権とはどういうものなのかちょっとよくわからないんですが、この辺の説明がないと機構そのものが何だかわからないんですよね。何を買って何を売るのか、債権とは何なのか、これはどういうことですか。ちょっと説明してもらえませんか。
●谷垣国務大臣
機構が買い取る債権は、事業用の取引の債権とかこういうことではありませんで、金融機関、この金融機関の定義も法律の中に書いてございますが、金融機関から貸し付けている債権を買い取る、それでもってそういう金融機関から借りている債権の重荷をどういうふうにいわば引きはがしていくかということを主として念頭に置いている、こういうことでございます。
●中山(義)委員
ちょっとまだよくわからないんですが、要するに、買って売るわけですよね。買って売るわけですから、それは商品ですね。商品になりますね。買ったときは仕入れですよ。出るときはいわゆる小売みたいに最終的に売るわけですが、これをどう評価するのか。
先ほどから、買うときの時価であるとか何であるとかいろいろありましたけれども、まだよくわからないんですが、要するに、機構がやるべきことというのは、大き過ぎるから一般的な銀行とその企業で話がつかないということなのか、権利が複雑過ぎてそれで整理がつかないから機構が乗り出すんだとか、いろいろなことがあると思うんですが、その結果、商品というのはどういう形で商品になっているのか。
要するに、どういうものを買うか、債権がどうのという次の段階で、商品は何なのか、会社そのものなのか、営業体そのものなのか、ちょっとよくわからないんですね。債権というのをもう一回ちょっとわかりやすく説明しないと、この機構が何をやろうとしているのかちょっとわからないですよ。
●谷垣国務大臣
うまく御説明できるかどうかわからないんですが、要するに、この企業を生き返らせるにはどうしたら生き返らせるのか、どういう手術をすれば生き返らせるのか、こういうことをまずやはり考えるんだろうと思いますね。
そして、こういうものは引き離さなきゃならない、こういうものはリストラしなきゃいかぬ、しかし、これは残していって中核的な今後の経営の中心にしなきゃいかぬ、そういうことを考えた場合に、ではどれだけの価値がつくか。したがって、それに対して貸し付けている金融機関の債権はどれだけの価値を持ち得るのか。
もちろん、これは予測ですから確定的なことは言えませんし、その価額をつけるにはこれから出口までの割引率というようなものも考えていかなきゃなりませんが、そういうことで金融機関の持っている債権を評価して買っていく、こういうことだろうと思います。
●中山(義)委員
大体わかってきましたけれども、要するに営業体みたいなものですね、大体は。そうすると、営業体みたいなものだと、現下の不況で、幾らむだなものをとっても、また今の不景気の中でその会社がだめになる可能性があるわけですよ。今の不況下の中でその会社はおかしくなったんですね。おかしくなった会社ですから、そこに相当な能力のある方が交代できればいいですよ。これはいわゆる会社更生法とは違うんですから、恐らくそこにいる人はそのままいるんでしょうからね。それで、また社会へ出ていく。しかし、今の不況下では同じことを繰り返す、二次ロスが出るということはもう我々目に見えているんだと思うんです。
だから、基本は何かといったら、先ほどの話に戻りますが、株価がこれだけ下落しているというのは一つの症状ですよ、病気でいえば。これも、今まで禁じ手と言われていることでも何でもやれというような感じで、新聞に書いてあるのは、今までいわゆる評論家でも禁じ手だと言っているものまで全部並べて書いてありますよ。きのうの読売でも何でも、いろいろ書いてありましたけれども、まあすごいことが書いてありましたね、こんなことまでやっていいのか。
与党の出しているものだってそうですよ。禁じ手みたいなものばかりですよ、今まで。そこまでして今の状況を、むしろ与党が表現しているんですよ、緊急事態だ、不景気だと。
だから、この状況で陳列棚に載っけて売っても、その商品がまたおかしくなっちゃった、この責任を先ほどだれがとるのかという話だったんですが、社長なのか、それとも委員長なのか、それとも担当大臣なのか、主務大臣なのか。結局、内閣の主務大臣というのは総理大臣ですから、やはり総理大臣が責任をとらなきゃいけない。
しかし、総理大臣の責任の一番大事なところは、まず景気をよくしてやらなければ二次ロスが出るということは間違いないんですよ。この現下の不況の中でこんなことをやっても結果的には間違いを起こすと私は思うんですが、両大臣、ちょっとお答えを聞きたいと思います。
●谷垣国務大臣
確かに、再生がうまくいくかどうかというのは、全体的な経済情勢というものが大きな影響を持つと思います。全体的にうまくなれば、かなり病状が重かったのもまた元気になっていくということがあろうかと思いますし、全体の状況が悪ければ、相当元気だったものも力が衰えていくということはありますので、これは、本年度予算ももちろんですが、いろいろな手だてを講じていく必要があると私は思います。
それともう一つ、私どもの業務に即して言えば、これは企業そのものの再生というふうにイメージしていただくとちょっと違う場合がある。コアとなる事業、生命力のある、価値のある事業をどうくびきから脱して再生させていくかということでありますから、そこのところのコアとなる力のある事業は何なのかという見方がやはり我々とすれば大事なのではないか、こう思っております。
●平沼国務大臣
谷垣大臣とまさに同じ観点でございますけれども、もう一点は、お願いをしている産業再生法の改正の中では、一つは、今谷垣大臣が言われた企業の中のバブル等で非常に負の部分と、しかし、先ほどビルのお話がありましたけれども、本業ではしっかりとした歴史と競争力がある、そういったところを生かすという企業としてのあれと、それから、今度の法律の中では、企業の壁を超えて、産業同士、そういうものもうまくマッチングをして、そして産業自体のそういう能力を伸ばしていく。あるいはまた、特定なところでそこをさらにインセンティブを与えて伸ばしていきたい、そのためにはこういう設備が必要だ、そういったところには、そういう設備のいわゆる融資というものもしっかりやっていくというようなことでございますから、そういう中で、私どもは、機構とこの法律とで、そういった形で活力を高めていく、こういうことに尽きるのではないかと思っています。
●中山(義)委員
わかりました。
それでは、では五年間でこの機構をやめるとする、緊急事態は五年で終わるということだと思うんですね。では、五年でどうやって、再生プラン、日本の経済を立て直していくかというプランなしに、この五年間をこの機構がやるということは、すごく問題があると思うんですよ。経済が悪くなっていくということを想定してこんなことをやったら、新たにコアであるすばらしい産業だと言っても、この不景気じゃもたないですよ。
だから、やはりそれには、景気をよくしていくという同じようなプラン、つまり五年後はこうなるというプランがあって初めて、この五年の事業というのは意味があると思うんですよ。五年間の何のプランもなくて、勝手に、いや、これは企業再生しますからといって、単独事業じゃ困るわけですよ。これは、この日本の不景気を必ず直していく、五年たったらこうなりますということがなければいけません。
そのためには、小泉さんにやめてもらいますとか、そういうことを入れてもらわないとまずいと思うんですが、どうでしょうか。
●平沼国務大臣
一つは、もうこれは中山先生もよく御承知のように、今非常に日本の経済の足を引っ張っている不良債務の問題ですね。これを二年以内にとにかく、厳しいけれども片づけていこう、これが一つの大きな前提です。そこで、そういうがん細胞を取り去るということで、そういう面から活力を出すという前提で、それを含めて五年という期間を置いています。
そしてまた、政府はその間何も積極策をやっていないということじゃなくて、骨太の方針の二〇〇二の中にも盛り込まれておりますけれども、例えば、重点四分野というものに特化をしながら、日本の持っている潜在的な力を発揮して産業競争力を高めていく、こういったことも積極的に行っていく、そういうことを総合的にやっていきながら、五年の中で私どもというのは一つのめどをつけておく、こういう計画でございます。
●谷垣国務大臣
全く平沼大臣と共通の認識でございまして、そして、その中で五年いろいろやっていく中で、この産業再生機構を通じて、過剰債務から有効な経営資源を分離していくというのもその大きな計画の中の一環である、こう思っております。
●中山(義)委員
要するに、産業やいろいろ業界だ、そういうものの構造を変えていくということですね。
だから、私がさっきから言っているように、構造改革をするから景気がよくなるという判断をしている以上は、この状況は変わらないと思うんですよ。私はやはり景気対策が先だと。でないと、幾ら機構を変えても、構造を改革しても、また結局できた産業が苦しい状況になって、また同じように不良債権化するということがあると思うんです。ですから、私は、そういう面から見ると、今回のこの二年で不良債権を少しでもなくすというようなことは、逆に言えば景気対策をやった上でないと無理だ、こう思うんです。
田作さんという方のこの間の参考人の話は、要するにステップワン、ツー、スリーと言うんですよ。初めの段階は何かといったら、要するに、まず、不良債権を表へ出すために銀行の査定をぎりぎりやるということなんですよ。それで苦しくなって、銀行と企業が話をする、事業者が。そして機構に持ってくるということなんですね。機構でそれを預かって、次にそれを商品として仕上げて、最後にスリーの部分で売る、こういうことなんですよ。
だけれども、これはよく考えてみると、構造を改革していく作業なんですね。ですから、構造改革なくして景気回復なしと言うけれども、構造改革を先にやったらば、怖いのはそれによってつぶれる企業。産業再生機構に行く人はいいですよ。行けない人はどうなるのか。
例えば、民事再生法だって許可されるのは、まず中小企業なんか許可されませんよ、あんなのは。そういうことを考えてみたら、やはり大企業は救うけれども中小企業は救わない、大きいからつぶせない、小さいところはつぶしていくという悪循環で、どんどんおかしな方向に行っちゃうんですね。
だから、これは構造改革の一環なんですね、間違いないですね。構造改革の一環だというと、我々の考え方に相反するわけですよ。我々は、景気回復をしながらでなければ不良債権の回収はできないし、構造改革はできないと思っているんですから、その辺の見解の違いがあると思うんですが、平沼大臣は、むしろそうじゃなくて、本当は景気回復をやらなければ構造改革は無理だと思っているんでしょう。顔を見ればわかりますよ。それをはっきり言ってくださいよ。小泉、竹中のメイコンビは、迷う方の迷だとはっきり言ってくれれば、私もすんなりこの法律に賛成したいぐらいに思っているんですが、その辺、どうでしょうか。前提があります、これは緊急事態だという前提があると思うんですよ。
●平沼国務大臣
どうも私と亀井前政調会長が非常に仲がいいという形で、そういうイメージをお持ちなのかもしれませんけれども、私は、不良債権処理、そういうものも構造改革の一つの一番大きなファクターだと思っています。ですから、もとより同時に、負のことをやっていけば、いわゆる正、プラスのこともやっていかなければいけない。
ですから、小泉総理も、厳しい中で、例えば今回も、皆様方にお力をいただいて三兆円の補正予算を組む、さらには思い切った二兆円の政策減税もさせていただく、こういうこともやらせていただきました。そしてさらに、私も、ちょっと閣内不一致というようなそしりもありましたけれども、昨年の秋ぐらいには、やはり補正予算三十兆の枠、これはこだわらない方がいいのではないかというようなことも言いました。そういう中で、税収が下がった、そういう事態もありましたけれども、国債の発行も五兆円をふやす、こういう形で、いわゆる正の対応も同時進行でやっております。
また、常に総理が言っているのは、いろいろな事態に対処して、大胆かつ柔軟にやっていく、こういうことでございますので、私も、そういう中で、もちろんおっしゃる意味はよくわかっておりますし、そういうやるべきときにはしっかりとしたことをやっていかなければいかぬ、こう思っています。
●中山(義)委員
大臣、お時間がお忙しいそうですから。とにかく、景気回復という観点を忘れるとえらいことになるなということを私どもは感じておりますし、その辺は配慮しながら、閣内不一致でも結構でございますから、どうぞちゃんと自分の意見をしっかり主張して、日本の国を誤った方向に行かないようにお願いいたします。どうぞ、本会議に行ってください。
谷垣大臣、私は今まで質問したんですが、やはり不良債権の回収というのは、どうしても景気回復を伴っていかないと非常に危険な部分があるというふうに考えていただきたい。私は、必ずしも財政出動だけすればいいというのではなくて、財政出動の質も、予算を組み替えてより効率のいい、乗数効果が上がるものに持っていってくれとか、いろいろなことを言っているわけで、決して、亀井さんと同じだって今だれかが不規則発言をしましたけれども、そんなことはありません。亀井さんよりもうちょっと高度に、我々よく考えているわけでして。
やはりこの機構を本当に成功させるためには、今言った、商品が売れる世の中の状況をつくらなければ。だから、ファイナンスが、ああ景気がよくなる、これは買えば必ず利益が上がってくるという感触を持たないと、陳列棚に売る物を並べてもファイナンスが買ってくれないんじゃないか、このように思うんですが、いかがでしょうか。
●谷垣国務大臣
基本的には、私も、全体の経済情勢というものがこの機構の成功、不成功に大きく影響するというふうに思っておりますし、しかし、その点では、先ほど平沼大臣がおっしゃいましたように、いろいろな工夫も小泉内閣でさせていただいて、そして、私としては、やはり十四年度の補正予算の執行とその効果、それから平成十五年度予算も早期に成立させていただいて、効果を上げるようにしていただきたいと思っております。
そういう中で、やはり不良債権処理というものが進んでいかないとなかなか健全化していかないという認識は、これは、どういう手法、手順の、あれにはいろいろございますけれども、ほぼ共通の認識だと思っておりますので、それをいわば表裏の関係で我々のところも果たしていきたい、こう思っております。
●中山(義)委員
もう時間もありませんので一回ちょっとまとめたいんですが、今の事態は緊急事態であるということは、確認しました。
それから、五年間でやはり経済プランというものをしっかり出してもらって、こうやって景気回復をしていただくというような、同時に五年間のプランがないとおかしいと思うんですね。五年後は全然わからないで、二年で買ってから三年目から売るんだといったって、そのときの状況が、余りにも不景気で物を買えるような状況じゃないということもあり得るわけですよ。ですから、五年間の再生プランというものはしっかり見据えた上で、目標をつくった上でやってくれないとまずいわけですね。
例えば、物価は一%から三%ぐらいインフレ傾向でいくとか、または財政支出はこうだとか、そういういろいろなものがあるわけです、メニューが。そういうものはこうやって使っていくとかの話がないと、だんだん禁じ手ばかりになってしまう。緊急事態だから、私的整理の中に国が入っていったり、銀行の株を日銀が買っていくとか、何か今まで禁じ手であったものがどんどん使われるようになった。これが緊急事態だからどんどんやっていってしまうとなると、日本のルールというものも全部狂ってきてしまうと思うんですね。
そういう面では、今回の再生機構のルール、いわゆる国が関与したということは、緊急事態だから五年間だけやる、こういうふうに私どもは判断をいたしております。それを最後に結論といたしまして、質問を終わります。