2003/05/09 経済産業委員会
中山質疑全文
| 法案名: | |
電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律案(内閣提出第七九号) |
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●中山(義)委員
おはようございます。
毎回のように新聞記事を見せては大臣に苦言を呈しているわけでございますが、大変厳しい状況でございまして、ますます、この新聞記事によると「七月に停電も」、これは読売新聞ですが、「原発再開一基なら」こういうふうに書いてありますね。こういう状況の中で、大変、安定供給という部分についていろいろ問題点が出てきた。
私たちはやはり、自由化の論議をするときには、安定供給というのがまず前提なんですね。一番大事なのは何かといったら、電気がついているのが皆さん当たり前と思っているけれども、この電気はどこから来ているか、こういう論議をちゃんとしておきませんと、ある人はこう言っていますよ、一回停電でも起きれば本当に電気の重要さがわかる、こういうふうに言っている方がいますが、停電が起きたことが社会にどんな影響を与えるか、経済に影響を与えるか、これははかり知れないものがあるわけですね。
私は、実はずっと子供の体操教室を三十年ばかりやっていまして、子供を合宿へ連れていくんです。戦場ケ原というところがありまして、全く電気のないところに連れていきますと、真っ暗です。何にも見えない。この辺で自分の家の電気が切れても、隣の家が電気がついていれば、本当の真っ暗というのはほとんどの人が知らないんですね。だから、現代人、我々も本当の真っ暗というのは知らないと思うんです。
そういう面では、停電がどんなものであるかということを本当は子供たちにわからせて、電気がライフライン中のライフラインである、こういうことをわからせる必要もあると思うんですね。それでないと、これから、供給面だけじゃなくて、需要者側にもひょっとすると協力をしてもらわなきゃならないかもしれないんです。
夏場は全部議員さんは冷房をとめて、汗をだらだらかきながら質問をしたり答弁をするというような場面も出てくるかもしれません。まず国会議員が模範を示すということもありますし、背広のそでは全部切ってもらって羽田先生みたいな背広を着てもらうとか、我々もいろいろなことを考えないと、本当に、国会がみずから電力というものとかエネルギーというものに、我々がそういう態度で臨んでいるのを示すことができない、こういう大変緊迫した事態に来ていると思うんです。
私は前回の質問のときにも、東京電力というのは企業ですね、でも、そのエネルギーの責任はだれにあるんだと言ったら、大臣が、私です、こういうお話をされました。僕は、もっと突き詰めていけば、エネルギーの責任者はやはり総理大臣だと思うんです。そういう面では、やはり総理大臣が、または平沼大臣と一緒に行って、それで本当に地元にこのデリケートな問題をしっかり頭を下げて整えてくるということが大事だと思うんですが、総理大臣は当てにならないというのであれば平沼大臣がまず行って、本当に誠心誠意を尽くしてこの問題はどうしても解決してもらいたい、こう思うんですが、その決意のほどを。
私は二回聞いていますから、大臣が行くと言ったことを。三度目というと、三度目を確約すると絶対行かなきゃならないということでございますので、ここでもう一度確約をしていただいて、仏の顔もということもありますので、ひとつよろしくお願いします。
●平沼国務大臣
御指摘のように、大変深刻な状況になっていることは事実でございます。
本日の閣議におきましても、閣僚の皆様方、総理大臣を含めて、このことは私から報告をさせていただき、また昨日、経済産業省に関東圏の電力の需給に関する対策本部というものを立てまして、私が本部長になりまして、そして、原子力発電所の安全点検を徹底しながら一日も早い起動に向かって努力をしていくということと、それから今先生の御指摘のように、節電対策、こういうことも国民の皆様方に御理解をいただくためにキャンペーンをやらせていただく、こういうことに私はさせていただいているところでございまして、総理も、きょうは閣議後の懇談会の中でも、特にこのことは重要なので、経済産業大臣を中心として電力の断絶が起こらないように最大限の努力をしてほしい、こういうことでございました。
私は折に触れて、当然エネルギー政策の責任者ですから、その時期が来ましたら必ず、立地の本当に御協力をいただいている福島、新潟県、そういったところに出向かせていただきまして、そして安全性の点検の充実とともに私も十分説明をさせていただき、御理解をいただくように努力をしていく、このつもりでおります。
●中山(義)委員
これは地元の、要するに原発をやっている地域の皆さん、大変いろいろな複雑な思いがあると思います。
技術的に見ますとこのくらいは恐らく稼働できる、そういうことは既に岡本長官はお考えなんだと思うんですが、大変微妙な問題でございますので、このくらいはできるとかできないとかと言いにくいところがあると思うんですね。しかしながら、やはり当然、省内では相当、対策本部をつくっていろいろ失敗のないように考えられているんでしょうけれども、今までの岡本長官の答弁では非常に自信があるように私どもは見えたんですが、今の大臣の答弁ですと非常にこれは国家的な大変な問題だ、そういうような話もあるわけですね。
私は、あえてここで岡本長官に質問をして、このくらい復帰ができるとか、七基は大丈夫だとか十基は大丈夫だと、そういう答弁をさせると、逆に、地元の今デリケートな問題を抱えているところで若干ちょっとまずいのかなとも思うんですが、長官、その辺を差しさわりのない程度にちょっと答えていただきたいと思います。
●岡本政府参考人
きのう、大臣を本部長とします関東圏の電力需給対策本部の初回の会合を持ちまして、そこで、夏に向けての東京電力管内の電力の需給についての今私どもが把握し得る限りの数字というものを取りまとめ、その結果を公表させていただいたところでございます。
その数字によりますと、夏に向けて、ピークの最大電力の需要としては六千四百五十万キロワットが想定されるということで、需要の方はそういうふうにまず押さえ、他方、供給力の方につきまして、私どもも、原子力以外についての供給力を可能な限り総動員するということで東京電力にかねてより検討していただいておりまして、その結果、火力あるいは水力、それから他社からの受電ということで五千五百万キロワットというのは何とかいけそうだと。それに加えて、柏崎の刈羽六号が稼働するということで、百三十五万六千というのが追加するということですが、さらにそれでも足りないということで追加供給対策の検討を東京電力にお願いしておりまして、それがうまくいけば四百万キロワットというものが火力を中心にさらに積み上がるということで、合わせればピークに六千万キロワットぐらいの供給のめどが立つ可能性はある。
しかし、これは、相当ぎりぎりの努力をして、つま先立った数字とも言うべきものでございます。夏場の需要というのは、温度が一度変更しますと百七十万キロワットもピーク需要が伸びる、そういう要素もありますし、それから、相当古い火力を含めて立ち上げをしていますので、トラブル等がありますと、大きい発電所は一基で百万キロワットの出力を持っておりますので、そういったリスクも勘案した場合に、六千四百五十と約六千とのギャップに加えて、ある程度の予備力を持たなきゃいけないということで、その予備力を考えました場合には、相当大きな数字をやはりこれから供給力サイドあるいは需要の両面で対応していかなきゃいけないということで、夏に向けての状況は、私どもは引き続き非常に厳しいものがあるというふうに認識をいたしております。
原子力発電所の方は、まさに今先生御指摘のように、私ども、この場で何基ということを申し上げるのは控えさせていただきたいと思いますけれども、数百万キロワットの上の方の需給ギャップというのがピーク時に予想されますので、それに向けて、需給両面からのあらゆる関係者の御努力をお願いしたいと考えているところでございます。
●中山(義)委員
もともと電力というのは、需要をまず想定して、それで供給をつくるということですよね。だから、今、需要が大体想定できているわけですから、供給はこのくらいというのは計算上は出ているわけですね。だったら、何基稼働しなければいけないという答えは、もう恐らくあるんですね。あるんです。ここで、だから何基とかを言うとまたいろいろ問題があると思いますから、我々は、計算すれば、今言ったように、需給ギャップを埋めるための原発は幾つかというのは大体今わかりました。計算上ですよ、計算上。
ですから、あとは本当に真剣に取り組んでいただかないと、この問題は解決できないし、経済にも相当大きな影響があると思います。東京だけで十六兆円以上の国税が上がっているんですから、東京の周辺で停電が起きるとはどういうことなのか、本当にそれを考えて真剣に取り組んでいただきたい、こう思うんですね。
それでもう一つ、ちょっとこういう仮想の質問なんですが、仮に、電源をつくる、電発のプレーヤーがあったとしますね。そうすると、こういうふうに需給が逼迫している、要するに、需給関係が崩れている、供給が弱くなってきた、こういうときに、民間で、ある電力会社ができて、そうしたらこれはもうけどきになりますね、それが参加してきたら。もうけどきですよね。これは、物で判断するというのはおかしいけれども、十個の物を売っている、しかし買い手が十五だったら、これは物が上がりますわね。私は、ちょっとカリフォルニアのことを想定しているんですが、こういうときに、値段を上げたり下げたりする作用というのは起こり得ることなんですね。もし、規制緩和が全部されて、だれでもプレーヤーが参加できる、いわゆる発電のプレーヤーが参加できるようになったとすると、いろいろなことが起こりますよね。
大臣、今ここで私が言っているのは、要するに、自由化という問題の中で、自由化の恐ろしさというのは、今これだけ電力が供給側が弱くなってきた、では電気を引き上げよう、値段を引き上げようというときに、あるプレーヤーが参加してきて値段を操作する、投機的に何かやる、これは非常に大きな問題があると思いませんかね。だから、私たちは電気というものを考えるときに、ちゃんとした哲学がなくてこれから自由化に踏み切るということは非常に大きな問題があるわけですね。
ですから、今のこの逼迫した状況の中で、ちょっと自由化に対する問題点を考えてみたいと思うわけですよ。私は、今回の電気がこれだけ逼迫したということは、自由化に対する一つの何か物を投げかけられた、このように思うのですけれども、大臣、その辺はいかがですか。
●平沼国務大臣
中山先生御指摘のことは、私どもも部分的には理解ができます。
ただ、今の全国的に、日本の電力の需給ギャップというのを見てみますと、供給力というのはなお余力があることは事実なんですね。今回の電気事業法の改正というのは、電力供給システムの改革によって安定供給の確保等を目的としているものでございまして、これによって全国の規模で電力流通を活発化するための環境整備が実現されれば、他の地域の余剰電力、供給力の有効活用が可能となるわけでございまして、今般のような電力の需要逼迫の懸念にも一応程度の対応ができるものだと私は思っています。
そして、カリフォルニアの例を出されましたけれども、カリフォルニアの場合は、非常に自由化を進めて、発電部分と送電部分を分離してそれぞれ競わせるというようなことをして、そのために非常に営利目的になって、そして非常にIT産業が電力を使うようなことになって、ピークになって、そして破綻をしてしまった。これは、我々としては十分検証させていただいて、これを他山の石として、そのようなことがあってはならない。
ですから、今回も発電と送電部分の分離というものは考えないで、やはり安定供給というところに主眼を置いて、しかし、その中で自由化を進めて、今までいわゆる自由化をしたために、これは一三%の価格が下がって、これがやはり需要家には非常に恩典を与えたという面もあります。
ですから、そういう行き過ぎた形じゃなくて、やはり需要家にとってもメリットがあり、全国レベルで見ても、電力を融通し合ってそういう非常時に対応できる、そういった体制をとっていこう、こういうことでございまして、御指摘のそういったことはあってはならない、そういうことは十分考慮しながらやっていかなければならない、私はこう思っています。
●中山(義)委員
部分自由化ということで、平成七年度に自由化の論議をずっとしてきて、今至っているわけですが、日本の場合、正常にいっていると私は思うんですが、これから自由化、自由化といって、何か世の中が電気というものを商品を扱うような方向に向かっていく危険性というのを今指摘したので、本当にこの電気というものが、電気と通信が同じように考えられていて、通信はどんどん規制緩和して自由になっていく、だけれども、電気と通信というのはもともと全然種類の違うものだと思うんですね。電気というのはエネルギーですから。このエネルギーというのが、交流で、しかも、周波数であるとか電圧であるとかいろいろなことが、質まで問われているわけですね。
そうすると、電気というのは貯蔵するわけにいかないわけですね。同時同量で、需要と供給がぴったり合ってなきゃいかぬということで、本来は自由化という論議になかなかなじみにくい、ライフ中のライフラインなわけですよ。だから、そういう面でももうちょっと哲学というものがやはりないと、今後、何らかの自由化または規制緩和の波に押されておかしな方向へ行ってしまう。
過去にもあるやに私は聞いているんですね。いわゆるアメリカの外圧で、エンロンが日本の電力事業、自分たちも少し中にプレーヤーとして入ってこよう、こう思った。つまり、送電といわゆる発電とは別個にして、そこに我々がプレーヤーとして。だから、これは、送電と関係なく、発電に外国のプレーヤーが入ってきて、これを投機の対象にでもされたら、日本のライフラインはぶっ壊されちゃうわけですよ。
そういう面も含めて、ちゃんとした哲学を持ってこの自由化に取り組んでもらわないと非常に怖いという面で、先ほどから大臣の哲学をお聞きしているのでありまして、大臣からもう一度その哲学を聞かせていただいて、それから岡本長官にも、一言言ってください。
●平沼国務大臣
私どもとしては、今回の制度改革におきましても、安定供給の確保でございますとか、それからもう一つ大きな柱で、環境への適合、これが図られるような電力供給システムの強化を行って、そこで許容される範囲で自由化範囲を拡大すること、これが基本だと思っております。そして、そのことによって、より多くの需要家の方々に、供給者の選択の可能性と事業者の一層の効率化努力による料金低減、このメリットを享受していただく、このことがやはり考え方の一つの柱でございます。
具体的には、哲学ということでございますけれども、引き続き、原子力発電所等の大規模発電設備と送電線の一体的な整備、運用を確保し得るように、発電、送電、販売を一貫して行う一般電気事業者制度を維持する、これが基本であります。そして、全国に存在する発電施設を有効に活用できるように、広域的な電力流通の活性化を図る等の措置を講ずる、このことも一つの哲学に盛り込んでいるわけでございます。
それから、長期固定電源の投資環境の整備等を図ること、これも大切なことでございまして、また新規の事業者についても、みずからの発電を顧客の需要動向に合わせていくことを系統利用に当たっての条件として、そして電気の品質を害さないための制度上の措置、こういったことを講じて、やはり言ってみれば、長期の安定供給、そして環境問題、さらには需要家にとってその自由化のメリットを享受していただく、こういったことを哲学として万全を期していかなければいかぬ、こう思っています。
●岡本政府参考人
私も、ただいまの大臣の御答弁のとおりだと考えております。
●中山(義)委員
今、いわゆる需要家、使っている側がメリットと言いましたけれども、この自由化というのは本来だれのために自由化するのかという理念がちょっとまだわからないんですね。だれのためにやるのか。プレーヤーが商売するために、自由に参加できるように、そういう面で規制緩和というか、または自由化を進めているのか。我々一般の国民が家で電気を使う、そういう人たちに本当にメリットがあるのかどうか、その辺がちょっと私はまだわからないんですけれども、その辺ちょっと御説明いただけますか。
●平沼国務大臣
我が国の電気事業というのは、もう先生もよく御承知のとおり、これまでの制度改正によって、小売の部分自由化、これを通じまして、一定の効率化の効果が見られているところでございます。
例えば、電灯、そして電力を合わせた電気料金の単価というのは、先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、制度改革前の平成三年度と直近の平成十四年度上期とで単純に比較をいたしますと、約一三%低下をしており、これは我が国の電力の需要家に広く還元をされている、こういうものと私どもは理解しています。
しかし、もとより今回の制度改革というのは、単純な自由化による電力供給コストの引き下げを目的とするものではございません。折しも昨年制定をされました、大変御協力をいただいたエネルギー政策基本法において、エネルギー政策遂行上の基本方針が定められているところでございまして、今回の電気事業法の改正に当たりましては、この基本方針に基づきまして、さらに過去の制度改革の成果も踏まえつつ、供給システムのさらなる改革による安定供給の確保、それから環境への適合を図って、これらのもとで電力供給に関する需要家の選択肢の枠を、幅を広げていく、これを理念としているところでございまして、こういったことでお願いをしているということを御理解いただければと思っております。
●中山(義)委員
自由化というと、やはりコストの部分が一番重要な部分になってくると考えているんですが、やはり安い電力を、または電力の質を落とさないようにというと、火力発電、石化エネルギーを使ったものが一番、ある程度、今のところは安定して安い。さらに、石炭を使えば、それに集中して使えばもっと安いということになるわけですね。そうしますと、国と国とのいろいろ約束である、地球全体のCO2をなくすとか、こういうものも本当は国民の利害にある意味ではすごく関係しているわけでございまして、一つの哲学を持ってやはりやっていかなければいけない、こう思うんですね。
それで、自由化に関しては、恐らく省の方で、あのカリフォルニアの問題点についてちゃんと検証していると思うんですが、その検証したデータとか、なぜ失敗したのか、なぜまたああいうことになったのか、発電所がどんどん切り売りして、プレーヤーがうんと存在している。だから、今現在考えた場合に、日本の現状でも、今一番売りのときなわけですよね。電力が、供給が少なくて需要が多いわけですから。だから、もし日本が自由化されていて、今カリフォルニアみたいな現状であれば、どんどん電力を売りに来て、また投機的に電力を使うというようなことが起こり得るわけですね。
そういう面で、カリフォルニアの問題というのは一回検証すべきだと思うんですが、それの検証は相当細かく、または日本に今後こういうことがないようにということで分析したんでしょうけれども、その辺の答弁をしていただきたいと思います。
●高市副大臣
カリフォルニアの混乱でございますけれども、これにつきましては、経済産業省におきまして、平成十三年に現地に調査団を派遣いたしまして検討を行い、これは複合的な要因が絡み合って生じたものと評価をしたところです。
具体的には、先ほど大臣から答弁申し上げました、まずはIT経済化の進展、シリコンバレーを抱える地域でございますので、それを背景としまして電力需要の増大が見られているにもかかわらず、電力制度改革の先行きが必ずしも当時明確でなかったということ、それから、非常に環境規制の厳しいところでございますので、結局、発電所建設のための投資が十分に進んでいなかったということで、まずは構造的に需給が逼迫状況にあったということです。
それから、特には、半ば強制的に電力会社の発電資産を売却させてしまいましたので、すべての電力取引をスポット市場を通じて行わせておりまして、ほかに電力の調達手段を持たない事業者というのは、市場価格の変動に対しましてリスクマネジメントができなくなってしまったということ、それから、小売料金を凍結したことから、自由化された卸電力取引所での価格高騰というものが電力会社の経営を圧迫したということが大きな要因であるという分析でございます。
ですから、それを生かしまして、今回の改革に当たりましては、電力会社の発電資産を部分的にしても売却することは求めない、それからまた、電力会社の発送電一貫体制というものをきちっと維持していこうというところで生かされております。それから、市場につきましても、いわゆる強制プール制ではなくて、任意市場といたしまして、事業者が相対取引を主体としながら、必要に応じて市場取引を活用するということを可能にしました。
こういうことで、自由化の中でのリスクマネジメント機能というのを強化する仕組みを考えているところでございます。
●中山(義)委員
これはもう一度よく調べて、本当にカリフォルニアの問題は絶対日本では起きないというようにしていただきたいと思うんです。
ただ、電力が安ければ安いほどいいことも事実なんです。しかしながら、どうしてもやはり、CO2を出しちゃいけないとか、いろいろな問題がありますね。それともう一つ、やはり安定供給の中でも、今回原子力がだめだったらば大変な問題になっちゃった。やはりこれも、原子力それから石化エネルギー、それから風力であるとか自然エネルギーとか水力とか、こうやってベストミックスが大事なわけですね。
その中で、やはり自然エネルギーと原子力というのはお金がかかりますね、ある意味で。お金がかかることを、企業という電力会社にすべて任せて、さあコストを安くしろと。これは、国民に対してこれだけコストを安くした、これが大変なメリットだった、こうおっしゃいましたけれども、同時に、風力であるとかまた自然エネルギー、地熱だとかいろいろ使っていく、一方は、原子力発電、非常に設備にお金のかかる、つくるときは。こういうものを企業に全面的に負わせていくと、この自由化という話と電力を安くしていく話と全然矛盾しちゃって、初めから話にならないわけですよ。
どうしても国家としてCO2はふやさない、だったら、原発はここまで国が面倒を見る、ここまで国がやる、または自然エネルギーについてもここまで国がやる、こういうものがないと、何でもかんでも、自然エネルギーは何%企業に買えとか、買い取り義務とか、こうやっていくと、自由化論議なんだか、何か矛盾しちゃっていると思うんですが、そんな自由化論議というのはあるんですかね。その辺、ちょっと御答弁いただけるでしょうか。
●平沼国務大臣
エネルギーのベストミックスというのは、御指摘のとおり非常に大切だと思っております。そして、エネルギー資源というのは大変有限でございまして、特に日本は、エネルギーの天然資源に恵まれていない国でございます。そういう意味で、やはりいかにそれをうまくミックスして安定供給を図ることが大切か、こういうことでございます。
今、一次エネルギーのようやく五〇%を切ったわけですけれども、四九・一%が石油になっております。石油も、これは日本ではほとんどとれませんから、御承知のように備蓄体制を整えて、これは百七十一日間の備蓄を持っている。それから、原子力発電というのは、その発電過程において二酸化炭素を一切排出しない、そういう利点もございます。したがって、安全性を担保するというその前提の中で、ここもやはりふやしていかなければいけない。そういう意味で、国としてはこれから十基ないし十三基をふやして、そして長期の安定電力供給源を確保しよう。そのためには、随分国も、これもよく御承知のように、エネルギー特別会計等々で大変大きなそういう支出をしながらインセンティブを与え、そして、事業者とも連携をとってやらせていただいている。それはそれで、国としてやらなければならないことはやっていかなければいかぬと思っています。
それから、自然エネルギーの方も、これももう中山先生御承知だと思うんですが、風力でございますとか太陽光発電、あるいはバイオマス、さらにはメタンハイドレートとかいろいろあるわけです。これに関しても、民間だけのことに任せていくとやはり採算という一つの大きな壁があるわけでありまして、国としましても、新エネルギーの部分は、今全体で一%でございますけれども、これを何とか二〇一〇年にまでは三%に高めよう、こういうことで努力をしているわけで、私は三%じゃ少ない、もっと国がこれに関与して五%ぐらいの目標を掲げてやるべきだ、こういう形で今私も率先をしてここにとにかく力点を置く、こういうことをやっております。
ですから、おっしゃるように、やはり民間の採算ベースではなかなか乗らない部分がありますから、そういう意味でも、太陽光発電に関しては、今世界で日本が一番その利用率が高いわけですけれども、太陽光発電の設置に関しては国は国会の御同意も得て大幅な補助もしてきた、そういうことが結びついているわけですから、そういったインセンティブを与えることは国がやはり責任を持ってやっていく、このことは私どもも必要だ、こういうふうに思っているところでございます。
●中山(義)委員
それで、最後に、特殊法人の今度特に電発会社が民営化されてきた。ここが一生懸命やってもらわなきゃならない理由というのは、やはり常に供給というものは今の日本の国の中でずっとふやしていかなきゃいけない。さっき原発の例がありましたけれども、それと同時に、CO2が出ない電源開発が必要だということで今いろいろやっているんでしょうけれども、この会社が民営化されてきた。これはやはり一つは、先ほど言いましたように、国がやっているんだ、国がやはりこれは関与しなきゃいけないと言いましたので、じゃ、国が関与するからどんどん天下りが行くというのでは困るわけですね。
ここは、民営化をするに当たって、その一つの理念というものを聞かせていただきたいんです。今まで、どうかすると結局は、そういう会社が民営化されても天下りが多いというのでは、民営化された意味がないわけですね。民営化の理念というのは、基本的には天下りが一人もいない、これがやはり民営化の基本だと私は思うんですが、その辺の理念を聞かせてください。
●平沼国務大臣
電源開発株式会社の民営化に当たりましては、電源開発促進法の廃止によりまして、同社に対する特殊法人としての規制というのはすべて廃止することに相なります。
同社の役員の選任等につきましても、従来は経済産業大臣の認可を受けなければ効力を生じないこととされておりましたが、今後は、こうした政府の関与を行うこともなく、会社独自の判断で、個人の経験、そして能力等に基づいて選任、配置が行われる、こういうことに相なると思っております。
天下りはやめるべきではないか、こういうことでございますけれども、民営化後の電源開発株式会社では、会社独自の判断で適材適所の選任、配置が行われるものであります。
仮に、公務員出身者が同社の役員等に就任するような状況が生ずる場合には、いわゆる今御指摘の天下りについての国民の御批判があることを真摯に受けとめまして、国民の信頼と行政の中立性等を損なうことのないように、国家公務員法上の厳格な定めのもとに対処をしていく、このことに私どもは尽きる、このように思っております。
●中山(義)委員
民営化しても、天下りの対象になっているのでは何の意味もないということを指摘させていただきます。
それと、先ほどの答弁も、大臣は、意欲的になるべく民間という意味をしっかりとらえている、私はそう思いますので、ぜひその辺はよろしくお願いをいたしたいというふうに思います。
それと、この会社が、例えば財政的に弱い、弱いのでつくった後少しでも高いところに売りたいということが、例えば今の日本の、経済産業省の指導からいってそういうことが行われる可能性というのは、これは制度上はどうなんでしょうか。高く買ってくれるところに売っちゃうとか、プレーヤーがうんと、いろいろなプレーヤーが存在するということがあり得るのかどうか。
●岡本政府参考人
電発、今はいわゆる卸電気事業ということと、それから全国的な電力の流通、連系線なんかを用意して流通の事業をやるということをやっておりまして、多分先生の今の御指摘は小売ということかと思いますけれども、小売ということについては、今度任意の卸取引市場というようなことができてくれば、電発もそういうところを通じて出していくという機会も出てまいろうかと思いますが、一方で、安定的な電力の販売ということで、卸電力事業というのも、電発としてこれから大事な事業のコアとして続けていくということでございますでしょうから、そういうことになってくれば、電気事業者との関係で一定の中長期的な信頼関係のもとに事業をやっていく、そういう配慮も当然に働いてこようかと思っております。
●中山(義)委員
ちょっともう一回。
私が言っているのは、切り売りしちゃって。
●高市副大臣
申しわけありません。電力を売る話じゃなくて、会社の財務体質の御懸念だと思います。
確かに、非常に悪うございまして、短期的な収益性は単年度では改善しているんですけれども、長期のバランスシートを見ますと、増資をせずに財投借り入れで運営しておりましたので、自己資本比率が非常に弱いという問題点がございます。
そこで今回、民営化に当たって抜本的な自己資本の増強策を講じることによって、この会社が民営化後も引き続き円滑に会社として事業を行っていく条件を整備しなければいけないということで、増資の上での株式公開ということを考えております。
つまり、日本政策投資銀行とそれから政府を出資者とします株式会社、ここが電源開発の増資を引き受ける。具体的には千百六十億円程度、約一千億円程度ということで、その指定会社は、これによって取得した電発株式を早期に売却いたしまして、ここでもしキャピタルゲインが発生いたしますと、一回に限って再度出資することが可能というような、こういう仕組みをもって体質を強化しまして、運営していけるようにということを考えております。
●中山(義)委員
時間が参りましたので、いわゆるカリフォルニアの轍を踏まないようにということで、今も脆弱な体質で、少しでも高いところに売ろうといういわゆる一般的な企業の考え方でやられては、この電気というのはライフ中のライフライン、それから、交流でやっている以上はいつも貯蔵ができないという電気の特殊事情からいって、いつも供給側と需要側がうまくいっていると。これでバランスが崩れてくると、今言ったようにちょっともうけようかなんというのも出てきたり、いろいろなことがあり得ますので、その辺をしっかり、民間企業でやっているのでありますけれどもライフ中のライフラインであるということを御認識いただいて、先ほどから哲学をお聞きしたわけでございます。
以上で質問を終わります。