2003/6/6 経済産業委員会
中山質疑全文
| 法案名: | |
下請代金支払遅延等防止法改正法案 |
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●村田委員長
中山義活君。
●中山(義)委員
参考人の皆さん、きょうはお忙しいところありがとうございます。先ほど来、話を聞いていまして、大変本当に参考になっております。
私たちは、小泉さんの政策を見ていますと、支持率は高いんですが、内政の、特に経済においては、むしろこっちの有事をしっかりやってもらいたい、私はそう思っているわけですが、現在の皆様方のこの苦境は、ある意味ではデフレ経済がさらにそれを追い打ちをかけている、こういうことだというふうに思うんですね。
私自身は、景気が回復すれば皆さんのお仕事が回復するのか、またはもう構造的に今の不況というもの、その中に、皆さんがまさに自分たちの構造に原因がある、このように考えておられるのか、お一人お一人、お三方それぞれお述べいただきたいというふうに思います。
●野間参考人
トラック事業におきましては、先ほどもちょっと申しましたが、輸送トン数そのものはそんなに大きく減っているということはございません。横ばいないし微増ということで、長期的に見るとそういう形で伸びてきております。ただ、運賃単価は非常に安くなっておりますが、そういう状況でございます。
それで、輸送業というのは、自分で景気回復するとかあるいは経済を引っ張っていくという立場ではなくて、ほかの産業が活発化すればそれに伴って出てくるということでございますので、景気の波に引っ張られていくという面が強いと思います。
●向参考人
私の方は、景気と構造改革とどちらか、こう言われますと、私は両面あるというふうに思っております。やはり経済全体をよくしていただくということが一つと、しかし今や、やはり構造改革をしなければ日本は生き残れないというようなことも我々認識をしております。特に、ITを活用して経営を刷新するというような面が非常に大事かと思っております。
コストダウンあるいは業務の流れの見直し、こういったものをひとつ我々としては推進をしていかなきゃいけない、このように考えております。
●片平参考人
私どもの、特にばねの業界に関しては、やはり景気回復ということが非常に大きな問題だというふうに考えております。ただ、これは、ただ景気が回復すればよくなるという問題ではないということは、先ほど申し上げた海外の移転の問題というのが大きく来ております。それはなぜかというと、やはり日本のコストが高いからだということが言えると思います。
この辺で、どうやったら日本のコストを下げることができるかというのが、我々としては大きな問題というふうに考えております。 以上です。
●中山(義)委員
よく、デフレ経済の中で大変経済が厳しいから、こういうときこそ工夫をして新しい商品を生み出すとか、いろいろ考えろというんですが、私はやはり、デフレというのは根本的に企業を参らせてしまうと思うんですね。そういう面では、私どもは常に、小泉さんのやっている経済は、デフレ経済で、不況下の中で緊縮財政をやっているんですから、こんなばかな経済はあり得ない、このように民主党は思っております。そういう面でも、景気回復がまず第一だ、このように考えるんです。
もう一つ、先ほどの構造の中で、企業そのものではなくていわゆる業態全体の中に、一つは不当な取引制限というのがありますね。これは、お互いに談合してはいけないとか、カルテルを結んではいけないとか、いろいろあるわけですね。一方で、もう一つは不公正な取引、いわゆる優越的な地位の者が下請にいろいろなことを言うわけですね。この両方のものが非常に難しい関係にあると思うんですね。ですから、ある業界では知恵で、ある意味では、談合なんかをやることが、ある団体ではそれは知恵として昔からいろいろな形で行われていたかもしれないんですね。
というのは、やはり、デフレ経済の中でどんどん受注を受けるときに、安くなきゃ受けられない、お互いに競争してしまう、結局は利益を失ってしまう。この二つの問題を、これはどのように考えて皆さんがやっていかれるのか。つまり、どのような取り組みを同じ業種間でやっているのか、この辺、私たち、本音の答えとして聞きたいんですね。
私たちはいつも思うのは、談合はいけないんですよ、絶対談合はしちゃいけないと思うんです。しかしながら、余りにも過当競争で、自分たちで自分たちの首を絞めている、こういうところがあるわけですね。私はそういう面では、今回の問題は、中小企業の問題と公取の問題なんです。私たちは公取にも何回もすぐ、これはおかしいじゃないかと言っても、公取さんはすぐ、特に不当廉売とか不公正な取引の方ではなかなか答えを出してくれないんですよ。公取の立場からいうと、公取の方も実は人数が少ないんです。そんなに人がいるわけじゃなくて、大変だと思うんです。だから我々は、公取はもっと人数をふやせということでいろいろお願いをしているわけですが、今のこの二つの要素、つまり、談合はしちゃいかぬ、しかしそうは言っても上からどんどん買いたたかれて安くなる、この両方ので矛盾したところを、皆さん、どういうふうに考えていますか。一人一人お答え願いたいと思います。
●向参考人
もうまさに私もそういうことに悩んでおります。やはり安くなることがいいという風潮がございます。しかし、我々の適正価格というものがございます。特にIT、ソフトウエア業界は、非常に人件費の占める割合が高いわけですね。そうしますと、これは我々の生活に密接につながってくる、どこまで安くすればいいのかというようなことでございますね。しかも、先ほども私が申し上げた中に、やはり、今先生おっしゃるように、ある意味の、いい意味の関係というのがございました。そういうものがこの価格破壊によってやや崩れる兆候がございますね。この答えは、私まだ見つかっておりませんけれども、この辺は非常に大きな問題だというふうに考えております。
●片平参考人
現在、ばね工業会の全国組織、社団法人ですが、これに加盟しているばね屋は二百五十一社でございますが、実際には、よくわかりませんけれども、統計的には千以上、小さなばね屋さんがあるというふうに考えております。
それだけに、今のお話で、非常にお話としてはよくわかるんですが、現実問題としては、特にだんだんと需要先が海外へ出ていってしまった現状では、どうしても買い手が全く優先してしまうということは避けられない状態ではないかというふうに考えておりますので、ですから、何とかして大手の方は自分たちの売り上げが減らないように海外進出を考えておりますけれども、それも結局なかなかうまくいっていないというのが現状でございまして、どうしても国内での仕事が欲しいという考え方が非常に強くございますので、なかなかお話のようなぐあいにはいきにくいというふうに考えております。
●野間参考人
確かに運賃、立場が非常に弱いものですから、何らかの形で、事業者同士で話し合いをして持っていくという形がとれれば大変有力だと思います。しかし、それは、事業者団体が少しでもそういうことをやると独禁法のガイドライン違反ということで、運賃の話は事業者団体では全然することができないというのが現状でございます。
それからまた、仮にまとまったとしても、ちょっとやそっとのまとまりでは荷主企業と対等になるということは非常に難しい話だと思います。かつて、認可運賃の時代でも認可運賃をもらうということができなかった状況にございますので、運賃はもう非常に買いたたきがあるのに対して、それに対して有効な対抗策がないというのが私どもの悩み多い実態でございます。
●中山(義)委員
普通は弱い方が団結して強い方に立ち向かうという、普通の論理でいえば、そういうことをしないとやっていけないわけですね。 私たちは、中小企業という立場から見ますと、大企業はいつも優越的な地位を利用して、我々は随分痛めつけられているわけですね。銀行でもそうですね。銀行は優越的な地位を利用して、中小企業者にお金を貸すときには、約款の中とか、または約定書みたいなもので宣誓させて、宣誓書にサインをさせる。そこには何が書いてあるか。金利は勝手に上げていいとか、要するに、法律によらず金利を上げますよ、それから保証人はさらにふやしますよ、担保はさらにふやしますよ、こう書いてあるんですよ。銀行なんかとんでもないことをやっている。
だから、本当は、ああいうものに対しては中小企業がしっかり団結してぶつかれるわけですが、ただ、野間参考人、ちょっとお話をさせていただくと、その業界の中では買いたたかれていますね。買いたたかれているから、何とか生きていくためには、スピードオーバーをしたり過積載をしたり、いろいろしないともうからない、食っていけない、やっていけない、こういう特殊な状況も出てくると思うんですね。よく建築業者でも、余り買いたたかれるので手抜きをする、そういうことがあり得るんですね。その手抜きが大変な事故に結びつく、こういうこともあるわけです。
ですから、私は、談合がいいというのではなくて、組合がよく話し合いをしながら、弱い者はやはり公取に向けて、自分たちで談合をするのではなくて、公取という機関があるわけですから、もっと公取に皆さんの気持ちをしっかり伝えてもらいたいし、我々議会でもそういう話をこれから公取に持っていきたい。
つまり、例えば電気屋なんかでも、とんでもない不当廉売をして、地域の本当に中小の電気屋さんがどんどんつぶれていっちゃうんです。弱いところがつぶれていくような経済の状況というのは、やはりおかしいと思うんです、構造上。ただ、そうはいっても、値段をお互いに相談するというのは、これはやみカルテルになったりなんかする。しかし立場が弱い。すごくこれは、中小企業からしていくと矛盾をしていることなんですね。
その面で、野間参考人、今回のNOxやまたはPM法なんかでもさらに苦しまれていると思うんですが、トラック業界のそういう面での自分たちで考えている方法論、私たちはこうしたいんだというところがありますか。
●野間参考人
事業者の間では、やはり、例えばトラック協会が中心になって何らかの形で標準運賃みたいなものをつくって、それをやったらどうかというような意見がございますけれども、恐らく、今そういうことを公取に申し上げれば独禁法違反であるということになると思います。ですから、余りいい手が思いつかない状況でございます。
ぜひ、競争力の劣ったトラック事業者の立場を御理解願って、何らかの形で、運賃の設定に当たってこれは優越的地位の乱用に当たるんだということを見つけ出していただいて、いい姿に持っていっていただきたいというふうに考えます。
●中山(義)委員
今ちょっと、さっきから適正価格というお話もちょっと出ましたが、要するに、トラック業界の場合は、過積載とか、またはスピードアップしてやっていかなきゃいけないとかということで、事故が起こり得るわけですね、余りにも値段を過当競争しますと。そうすると、結果的に事故が起きる、または手抜きがあるとかという問題について、私は、どのように思うかということを聞いているんです。
結果として、とんでもない状況に追い込まれて、どうしても百五十キロぐらい出さないと荷主の要望にこたえられないとか、いろいろなことが出てくる、こういうようなことに対してどういうふうにお考えですか。
●野間参考人
確かに、安全面とかそういった方に影響が出てくる可能性はございます。 ただ、私どもは、運賃が安いから安全面がなおざりにされて事故を起こすということは私どもの方からはとても言えないことでございます。ただ、そういう傾向にあるということは否定できないと思います。
それからもう一つ、コストを切り下げるために、現在非常に問題になっておりますのは、保険に加入しない、あるいは加入していても保険料を払わないというようなのが傾向として非常に顕著になってきておりまして、それでコストを削減して競争力をつけるというようなことも行われておりますので、ここら辺も非常に問題であろうというふうに思っております。
●中山(義)委員
私は、ちょっと申し上げたいのは、要するに、下請の方にやらせる側が事故を起こさせる原因をつくったり、または過当な競争を無理やりさせるようなことをしたり、これはやはり今回の法律では取り締まることはできると思うんですが、いろいろな意味で、やはり業界の中でもそのような対抗策と申しますか、すべての業界の中でやはりしっかり話し合うということが大事だと思うんですね。
なかなか知恵がその業界の方から出てこないということであったり、我々もそれにこたえて、もう絶対、その業界がなくなってしまっては困るわけで、または事故が起こったりすることも困るわけで、またはとんでもない事件が私は起こり得ると思うんですね、車が大変速い速度で走っているわけですから。余りにも過当競争を強要するようなことがあれば、これは公取がしっかりやらなきゃいけない、こう思うわけでございます。
野間参考人だけじゃなくて、同じようなことがあれば、それぞれの方にお話を伺いたいんですが、過当競争によって自分の業界が疲弊することが日本の経済にとって大変なことだ、このように皆さんも思っておられると思うんですが、その辺を一人ずつお話しを願いたいと思います。野間さんからちょっと先に聞きたいんですが。
●片平参考人
私どもの業界では、やはり値段が下がっても品質だけはますます強い要望が出ておりまして、これが万一間違えれば、先ほどのトラック業界と同じように、車などが事故を起こす、そういうことになると大変なPL法のまた追及を受けますので、こういう意味では、それによって品物がどうこう、手抜きということはまず絶対にあり得ないということになるだろうと思いますが、確かに、業界がそれによって疲弊していくことは日本の将来にとって非常に大きな問題だということは考えております。
やはり、中小製造業が疲弊してしまったら、日本のピラミッド構造は崩れてしまうわけですから、非常に問題としては大きいというふうには考えております。
●野間参考人
確かに、過当競争状況にある中で、立場の弱い者がどうやっていくかということでありまして、ただ、我々としては、今公取の定めているガイドラインに従った動きしかできないわけでございまして、そちらの方を何とかしてもらいたいということは、今度は独禁法の根幹に当たってくるのではなかろうかということでございまして、なかなか根本的な解決策というのは思いつけない状況でございます。
●向参考人
どのあたりが適正な価格かということが非常に大事だと思います。 我々の業界では、やはり値段だけで、安いからいいということではなくて、どういう開発工程でどの程度工夫をしているか、あるいは仕事の進みぐあい、進み方が適切かどうかというような、そういうもろもろの基準を一つベースにして、そしてこの価格が適当なのかどうか、こういうことをできる限り軸にして工夫をしているというところでございます。
●中山(義)委員
きょうは、本当にお忙しいところありがとうございました。
私たち、先ほど言いましたように、不当な取引制限、いわゆる談合やカルテル、こういう問題と、不公正な取引、つまり優越的な地位を乱用された場合、この二つを本当に皆さんの立場に立って、全力を尽くしてやっていきたいというふうに思っております。
やはり皆さんの業界が悪くなったり疲弊していくことは日本の経済にとって大変大きなマイナスだというふうに思っておりますので、これからも公取さんには特に頑張っていただいて、奮起してもらって、皆さんへ優越的な地位を利用した乱用を絶対にさせないようにこれからも頑張っていきたい。
以上で、私の質問を終わります。