2004/4/28 内閣委員会
中山質疑全文
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警察に関する件 |
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●山本委員長
次に、中山義活君。
●中山(義)委員
参考人の先生方には、大変お忙しいところを、心から御礼を申し上げる次第です。
私、大した趣味がなくて、夜になるとテレビを見て一杯やるのが唯一の趣味でございまして、そこで刑事ものをしょっちゅうテレビで見ているんですが、刑事ものをなぜ見るかといいますと、私は、やはり悪いことをしたやつが最後に捕まる、しかし、その犯罪を犯すまでも、非常に情の部分で、どうして犯罪を犯したんだろう、こんなことをいろいろ見ながら、人間の道徳であるとか、人間の生き方、こういうものを見ているわけです。
最近よく、藤田まことさんの「はぐれ刑事」ですか、こんなのを見たり、または「踊る大捜査線」なんか見ていても、感じることは随分あるわけですね。ああいうのを見ていますと、今回のいろいろな起きてきた事故の内容なんかもだんだん盛り込まれてきているんですね。つまり、キャリアと現場の人間と考えていることが全然違ったり。こういうことを見ていくと、やはり世の中は、本当は警察というものを非常に信頼して、そして悪いやつは必ず捕まるんだと思いたいんだな、こう考えるわけです。昔から「鬼平犯科帳」だとかなんとかを見ていてもそうですね。悪いやつは捕まるんですよ。
しかしながら、今、新聞を見ていますと、警察の不祥事ばかりなんですよ。これでは子供たちがテレビを見ていても、刑事ものを見ていて、必ず悪いやつは捕まるんだ、悪いことはしちゃいけないんだ、こういうような道徳的なところから外れてくると思うんですね。私は、そういう面でも、今回のこのいろいろな事件というのは、大変憂える一人なんです。
そこで、いろいろ自治体警察、身近な警察署が近くにもあります。この警察署、自治体の警察、つまり都道府県の警察と都道府県の公安委員会、この関係、先ほど小幡先生からいろいろ御説明がありました。しかし、これは全国規模で起きているんですね。ということは、これはある地域の不祥事として考えるのか、日本全国同じようなことをやっているからこうやって出てくるのか、この辺をまず聞きたいと思うんです。
●小幡参考人
先ほどもお答えの中で申しましたように、およそほかの行政でも空出張とか架空請求とかいうことはございますけれども、警察に関しては、確かに捜査費等は、どうも捜査報償費等を協力者に対して何がしかとか、そのあたりというのは、今まで捜査にかかわるということで余り明確にされていなかったところではないかと思うところでございます。そういう意味で言うならば、こういう問題というのは、一応警察が捜査活動を行っている以上は内在し得る可能性はある問題ではないかと思います。
今回、幾つかのところで発覚してきて、そしてそれぞれのところで公安委員会が指示等をして再発の防止に努めているというところでございますけれども、あるいは内在している問題であろうという観点から、警察庁としても何か予算執行適正化のためのマニュアルづくりをなさっているというふうに伺っていまして、今後はこういうふうな形で、捜査関係については全国レベルでやるべきであるというふうな指針を示す。それから、最近、会計の監査に関する国家公安委員会規則も制定されたということでございます。
ですから、捜査費というものの使い方ですね、警察の経理問題についてのこれまでの若干不透明であり得た部分について、やはり根本的に正すべきであるというふうな姿勢、これは私は必要であると思いますし、しかるべき対策、今とられているので十分かどうかわかりませんけれども、少なくともそういうとらえ方は必要ではないかと思っております。
●中山(義)委員
私どもは、四県か五県で出てきたら、これはもう全国的なものだと思うんですね。しかし、相変わらず公安委員長は、これはある地域の問題としてとらえて、そこの公安委員会が責任を果たしてやるべきだというような意見なんです。ところが、総理は、何かニュアンスからいくと、いや、全国的なレベルで行われているんじゃないかと思うような発言をするわけですよ。
私は、やはりこういう制度そのものに制度疲労が来ている。実は、ある地域で起きている問題は全国的な問題なんだ。先ほど市川先生からお話がありましたとおり、ある地域に手引書がある。これは横の連絡が非常に強い警察ですから、あるところに手引書があったりチェックリストがあったりするということは、ほかにもあるんじゃないか、全国的なことじゃないか。これが全国的なことだったら、やはり国会で一つのこの組織のあり方を徹底究明すべきなんですよ。ところが、いつも、いや、あれは、北海道のことは北海道の公安委員会がやっていますというふうに逃げられたんでは、国会での審議は成り立たないんですね。
全国レベルでこういうことをやっているというようなことだと思うんですが、小幡先生と市川先生、一言ずつお願いします。全国レベルだと思うんですが、どうですか。
●小幡参考人
先ほども申しましたように、そういうふうな可能性は潜在的に秘めていると私は思います。
ただ、それに対して国家公安委員会がどういうふうなことをなさるかということにつきましては、国家公安委員会もまさに国民の代表として委員がいらっしゃるわけでございますので、そこはまさに中立的な、民衆の声を聞いて御判断なさることではないかと存じております。
●市川参考人
私は、当然、全国的な問題だと思っております。
理由は二つあります。一つは、手口が全く同じであるということ。二つに、先ほど示したこの資料ですが、これは警察本部会計課なんですね。ところが、会計課長というのは警察庁からの出向人事ですから、警察庁が知らないはずはない。警察庁が知っていれば、それは全国に及ぶであろうという推測。以上、二点からです。
●中山(義)委員
この会計課長が、捜査費の方は国費ですから、特に今言ったように、同じレベルで全国的に行われていると私たちはとらえているわけです。ですから、この国会で国家公安委員長に、あなたの指導がしっかりしなかったらこれは直らないよ、こういう話をずっとしてきたわけですね。
私たちは、やはり警察の信頼を取り戻す、私が先ほど申し上げているように、テレビや雑誌やそういうところで、悪いやつは必ず捕まる、悪いことをしたら絶対に捕まっていくという正しい視点のもとに、子供たちにもそういうことを教えていったわけですよ。悪いことはしちゃいけないよと。それは世の中の道徳観をつくっていくという面でも大事なわけですね。ですから、警察の信頼を失うというだけじゃないんです。日本国民全体の何か大人に対する信頼までおかしくなってくるわけです。
それから、やはり新しい、若い人間が、おれは警察に飛び込んで、日本の悪いところは全部私たちが取り締まっていくんだ、こういうような意気に燃えた人が新しく就職していく、そういう面からいっても、これは全国的な、日本全体の問題なんですね。
私は、そういう面で、これは国家公安委員会が責任を持って徹底してやるべきだと思うんですが、前田先生、それはどうでしょうか。我々の信頼を取り戻すためには、やはり国家公安委員会が先頭に立ってやらなかったらまずいと思うんですね。地域地域の自治体の警察だという観点から、やっぱり国家全体の問題だ、このように考えてやるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
●前田参考人
お答えいたします。
おっしゃるとおり、警察の影響といいますか、警察に対しての不信というのは教育の問題までつながるような大問題で、先生の御指摘のとおりだと思います。
ただ、私のような学者というのは、やはりやや憶病といいますか、全国規模で起こっているかどうかというのは学問的にきちっと研究しないと、全国的な問題と言い切れるかどうかは私は断定できません。それは、やはり学者の良心として。会計課長がキャリアの人で、全部で回っているからどうかというのも、そこも私ちょっと調べてみないとわからないんですが。
御趣旨はそのとおりで、国家公安委員会のレベルで取り組んで、警察の信頼回復を国の問題として考えなければいけないというのは御指摘のとおりです。ただ、全国で捜査費のこのような運用がなされているであろうとかなりの推測が働くというところまでは賛成させていただきたいと思うんですが、断定は私はできないと思っております。
以上です。
●中山(義)委員
先ほど、いろいろお話があって、手引書、チェックリスト、これは警察全体に回っているんじゃないかと。
我々は、何回も公安委員長に、全国的なレベルだということを言っているわけですね。この宮城県のものだとか、それから福岡の方でシュレッダーで資料を削ってしまったり、または神奈川県警のものも、保存期間、期限切れ前に廃棄してしまった、こういうのがどんどんどんどん出てくるわけですよ。ほっておけばだんだんだんだん広がっていくわけですね。私は、こんなふうに傷口を広げる前に、これはもう全国レベルだ、国家公安委員会はどんどん早くから手を打つべきだ、こう申し上げているんです。私らの委員の皆さんも、小野公安委員長にずっと言っているんですよ。
だけれども、これはまず地方の公安委員会でやってからということで、全国レベルの、日本全体の問題として扱っていないというところに、やはり公安委員長の指導力が足らない、私はこう断定をしているんです。
地方レベルの問題でも、宮城県知事さんとそれから東川本部長さんですか、一回出したものを、資料を提出した、また引っ込めた。これは、知事さんと警察との関係。
先ほど小幡先生のお話では、自治体警察という話がありました。しかし、北川さんにもこの間聞いたんです。北川さんが知事のときは警察とはどうでしたと言ったら、いや、人事権はないし、指揮権もないしね、言うことを聞かないというような感じだったですよ、言い方が。そうすると、知事さんは予算を執行しているわけですよ。だから、報償費や何かは県費だから、これは完全に知事が全部握ってなきゃいけない。だけれども、それもできない。全体の問題として、国家公安委員会ができない、地方の公安委員会もできない、知事もできない。では、これはだれがコントロールするんですか、警察を。
小幡先生にこんなことを文句言ってもしようがないんですが、先生の見解として、現実こういうことが起きているんです、ちょっとおかしいという感じがしませんかね。
●小幡参考人
都道府県警察だというのは、私、初めに申しまして、まさに制度上そういうふうになっております。都道府県警察の上に都道府県公安委員会があって、公安委員は知事の任命によることになってございます。
したがって、知事部局と警察部局が、ある程度、余りべったりでない形で、政治的中立性を保って、まあ一種の、ちょうどよい距離感というのが一番望ましいんだと思いますけれども、確かに、かなり知事部局と警察との間で多少分離があるというところがあるという状況は私も知っております。ただ、それがすべてというわけではございませんで、東京都などでも、このごろ知事部局と警視庁、いろいろなところでのすり合わせ、治安をこれからよくしていこうというところで協力関係というところもございますので、必ずしもそれがすべてというところ、まあ、県によってちょっと際立っているところはあるかと思いますけれども、それは自治体によるかと思います。
制度上は、今申しましたように、都道府県公安委員会が、これは警察に対して人事上の権限それから管理権限含めて行使できる、具体個別に指示できるということになってございますので、文書の廃棄等の問題についても、それ自身、不正が行われたとすれば、都道府県公安委員会の方でしかるべき権限を行使して、そういうことがないようにというコントロールは当然できるものと私は理解しております。
●中山(義)委員
いや、私は、これは浅野知事は大変無念だと思うんですよ。これは警察から、やはり予算を執行している者が国民の前に、または自分が知事をやっているんですから県民の前に、こういうふうに明らかにしたい、情報はすべて開示したい、これが浅野知事さんの気持ちだと思うんですよ。それが開示できないということは、非常に無念だと思うんですね。
だからこそ、我々は、国家公安委員会がやるべきだ、もっと上からちゃんと指示を出してやっていくべきだと思うんですね。
それから、今度は市川先生にお聞きしたいんですが、これを全国レベルだというのは、原田さんとか島崎さん、福岡県警の方の島崎さんも、恐らく全国で同じようなことが行われているんじゃないかというような発言を聞いています。
私たちは、もし全国的なレベルなら、さっきから言っているように、道徳や教育のためにも早く終わらせたいんです。早く終わって警察の信頼を取り戻したいんですよ、我々は。そして、若い人たちが警察にあこがれて、おれたちはこんなすばらしい仕事をやるんだといって警察に入署してもらいたいわけですね。警察こそ日本の国の中で治安を守る一番大切な仕事だ、こういうふうになってもらいたいわけですよ。そのためにやっているんであって、私らは警察を批難しているわけでも何でもない。早く、しっかり、あこがれの警察になってもらいたい。私なんかいつもあこがれているから、だから警察物のテレビをしょっちゅう見ているわけですよ。だから、そういうものを取り戻してもらいたい。
こういう面で、市川先生、原田さんと島崎さんの言っていることは、全国で、あっちでもこっちでも行われているんじゃないでしょうかねと言っていることは、先生の今までの御経験や、ずっとここで、何回かのいろんな検証で、どうでしょうか。
●市川参考人
難しい質問なんですけれども、ですから、明らかになったところでは手口が全国共通しているので、そうであれば同じように行われているのではないだろうか、これは私は確信しております。それに反する証拠というか事実というのは出てきてはいないんですよね。うちの署は完璧にやっていますということが、はっきりしているのはない。
静岡も出ましたでしょう、宮城も問題でしょう、高知も出ましたよね。だから、本当に、ここ十年間で北海道だけだったよといったらそうかもしれませんが、ここ一年か二年の間に四、五個出てくれば、これは推測してよろしいのではないでしょうか。
確かに、私は学者ではないので、そこは慎重さは欠けます。欠けますが、私は断定できるし、もちろん国政に携わる先生方は、そこは大胆に断定して調査されていってほしいと国民の一人として考えております。
●中山(義)委員
大体、先生方のお話を伺っていても、または、感覚的に総理がぱっと同じようなことを感じたと思うんですよ。どこでも行われているような問題じゃないかというような発言があったやに聞いているんですよ。
そこでなんですが、これから我々の委員が国家公安委員長に厳しく迫ると思うんですね。全国レベルだ、国家公安委員長の指導力がなかったらこの問題解決できない、こういう形になると思うんです。もうとにかくこうやって新聞で不祥事が出てくるということは、私みたいに警察の好きな者は、やめてもらいたい、こう思っているわけですよ。本当にやっぱりこういうことがあれば警察の信頼を失っていくことは間違いないんです。
そこで、とにかく早く今までのことを開示して直すためには何をやったらいいのか、こういうことですが、先生方に最後、時間がないので、もう三十秒間ぐらいで、これとこれとこれをやれということを一つずつ言っていただきまして、私からの質問は終わりたいと思うんですが、よろしくお願いします。
●小幡参考人
私は、そういう捜査費等の経理問題について、透明にやれるようなシステムを今後つくっていくべきであろうと思っております。
●市川参考人
国費については会計検査院が、都道府県費については各都道府県の監査委員が、徹底した監査を全警察署について行うべきであると思っております。
その際に、一切隠すことなく、監査委員の先生方にも守秘義務がありますので、一切隠すことなく、警察は証拠書類をすべて出すべきだ。それをしないと、幾ら会計検査院、監査委員が入っても無理であろうと思っております。
●前田参考人
私は特に新しいことを申し上げるつもりはないんですが、監査をきちっとやるということもそうですけれども、ただ、さっき小幡参考人の話にありましたように、平成十二年の大改正といいますか、取り組みが定着していってどう動くかということをきちっと見ていただきたいということと、会計のやり方について、内部的には具体的な取り組みをやっていらっしゃると思います、先生のおっしゃるような趣旨をやっていると思うんですね。ですから、その透明化が具体的レベルでなおどこが問題かということを、ぜひ具体的に、先生方の力で前に進めていただきたいと思います。
●中山(義)委員
最後に、もう一言。
僕は、本当に、ちょっとしたテレビを見ていてもいろいろなことを感じているんですが、「踊る大捜査線」というのがありましたね。あのときに、一番現場で捜査をした者が最後撃たれるわけですよ。それで、キャリアの人たちは、もう捜査が終わったからとさっと帰っちゃう。でも、本当に現場は大変な思いをしているわけですね。常に我々は、本当に現場の警察員が一生懸命やっているわけですよ、一生懸命捜査をしている、こういう人たちに光が当たるようにやってもらうために、やはり上の方でおかしなことをしてもらっては困る、こういうことなんでございます。
そういう面でも、警察の一層の奮起を期待するわけですが、今言ったようなことを、できるだけ早く、きょうは、こういう参考になった意見を、あとは公安委員長に向けて厳しく我々は糾弾していきたい、このように思います。
以上で質問を終わります。