2004/11/10 経済産業委員会
中山質疑全文
| 法案名: | |
政府参考人出頭要求に関する件 |
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●中山(義)委員
ただいまの吉田治議員の質問で、ほぼ裁判の内容でありますとか、今後どういう展開を迎えるか、いろいろ想像ができるところですが、私ども申し上げたいのは、やはり経済産業大臣が、ある意味じゃ通商というのは外交の一番最たるものだと思うんですね。やはり国益というものを考えたときに、日本の国が安くていいものを外国に売る、その場合に、安くていいもの、安いという部分が、外国によって世界的なルールを守られなかった場合に、私ども、それは大変大きな問題だということがまず一点だというふうに思うんです。
今回の問題につきましては、ある意味では遅きに失したといいますか、WTOに抵触するような外国の、特にアメリカの、これが世界のルールだといって必ず日本に持ってくるわけですよ、アメリカは。そういう面では、アメリカにまだこういうようなものがあるのかどうか、一回検証する必要があると思うんですね。
今までも、日米構造問題協議、構造協議問題イニシアチブですか、それとか、または日米包括協議とか、いろいろありましたね。こういうことで、だんだんだんだん日本が、これが世界のルールだ、これが国際社会のルールだといっていろいろ押しつけられてきたわけですよ。特に、それは日本の大企業というのは結構体力もあるし、力もある、だから対抗できました。しかし、いつもそれでつらい思いをしてきたのは、やはり中小企業や弱い農業者だと思うんですね。
そういう面で、我々は、通商という問題については、常に日本の中にも中小企業というものを抱えているということを考えていただかなきゃならないと思うんです。
私は、今回のこの問題についても、結果的には、これから安くていいものをつくる、いい商品を考えて一生懸命やっている中小企業にそういう被害が行かないように特に考えていただきたい、こう思うわけです。
ちょっと質問はそれますが、前回の一般質問のときに、たまたまBIS規制の問題、自己資本率の問題で、いわゆるリレーションバンク、地元の信用金庫や信用組合の問題についていろいろな言及がされました。もともと自己資本比率も、これはある意味ではアメリカから押しつけられたような、BIS規制という形で、確かに外国でプレーをする大きな銀行はいいですよ。しかし、日本の中小の信用金庫、信用組合まで何でこのルールを適用しなきゃいけないのか。日本の中小企業をつぶすようなものじゃないか。もともと信用金庫、信用組合というのは組合組織ですから、協同組織ですよね。お互いに無尽みたいなもので、あるところからお金を預かっていて、少しないところに貸してやろう、こういう話だったんです。
そういうところで非常に地域の金融というものを保ってきたんですが、いろいろ外国の標準に合わせたと言っていますが、本当に外国がそうやっているのかどうかはわかりません。八%のBIS規制なんというのを守っている外国の銀行というのはどれだけあるのか私はよくわかりませんが、私の知っているところでは、これはちょっとおかしいぞというところも随分、外国でも変わってきているやに聞いています。特に日本の信用金庫、信用組合が四%を守るというのは、中小企業に金を貸すな、国債を買えというようなもので、何で信用金庫にそんなことを要求するのか、私どもにとってはわかりません。
たまたまそういうことがあって、検査マニュアルなんかもかなり自己資本率、いわゆる金融検査マニュアル、金融庁のつくったやり方で、地元の金融というものを押さえつけているんじゃないか、こういう質問が大畠議員からあったんです。そのときに山本先生が、いやいや、とんでもありませんよと。DDSというのがあって、べったり貸しの、四十年とかうっかりすれば戦後すぐから借りたようなお金があるわけですね。こういうことに関してはこれはもう劣後ローンでいい、ある意味では返さなくていい、それは金利だけ払っていればいいんだ、こういうふうにおっしゃったわけですね。
私もこれはいい話だと思いまして、地元金融機関にもいろいろ尋ねてみました。そうはいいますが、やはり金融庁がうるさいんです、金融庁の指導では貸したものは返せと言っている。これは金融庁が言っているんですよ。だから、金融庁、金融大臣と中川大臣が取っ組み合いをしても、中小企業を守るためにはそれは違うんだ、こう言ってくれないと困るわけですね。
だから私は、中川大臣には、中小企業を守るために、山本先生の言ったDDS、べったり貸し、長く貸して、もう二十、三十、四十年になったものに関してはこれは資本なんですよ、もともと中小企業には資本がないんですから。だからやはりお金を借りたものが資本としてずっと回ってきた。だから、金利を払えば優良債権ですよね、そういう考えになりますね。金利を払っていれば優良債権、そうですね。この辺の答弁をもう一度してくれますか。
●山本(明)大臣政務官
先日のあの答弁、ちょっと私が話し過ぎというとおかしいんですが、あれは金融庁の管轄でありまして、経産省の管轄ではありませんので。ただ、こういった制度があるから中小企業もこれから借りやすくなるし、中小金融機関も貸しやすくなる、不良債権も減ってくる、大変いい制度だということで申し上げた次第でありまして、それ以上のことは、どうあるべきだということは、ちょっと私から申し上げる立場にない、こんなふうに思いますけれども、個人的にはこうした制度を、金融庁が文句を言わないように経産省からも少しでもやはり意見を具申したい、こんなふうに思いますし、ぜひ有効に活用していただきたい、こんなふうに思っております。
中山委員は、私もいつも思っておりますけれども、今も、アメリカの通商の話が何で中小企業の関係かなと思っておったんですが、中小企業の味方として活躍しておみえになりますので、私も意を同じくするところでありますので、これからもよろしくお願いいたします。
●中山(義)委員
私が本当に申し上げたいのは、WTOにしても、これは世界のルールだ、国際社会のルールだということでアメリカは必ずいろいろ言ってくるわけですよ。だけれども、国際社会のルールというものが日本の中小企業を痛めつけているということも事実なんですね。大店法しかりですね。
大店法なんかでも、本当に、シャッター通りになったとかよく言いますが、郊外で一万平米だ、一万五千平米だとどんどん大きなものをつくっていってしまう。中小企業では商店街では勝てない部分が随分ありますよ。先ほどの不当廉売の話じゃないけれども、値段はどんどん安くする、電器の不当廉売なんかもそうですよ、大きなスーパーまがいのところで電器屋さんがばんばん安くする。これは普通の小売屋さんの仕入れ価格よりも安い値段で売っているんですよ。こういうのがダンピングと言うんですよ。だから、アンチダンピングというのは国内でもあるということを我々は気がつかなきゃいけないんですね。
そういう面で、今、私たちは中小企業を守るために何をやらなきゃいけないか。私はいつも金融庁は敵だと言っているんですよ、経済産業省は味方だ。そうですよ。だから、大臣と金融庁の伊藤さんと取っ組み合いをやったって、私は、中小企業のために金融の問題は変えてもらいたい、本当にリレーションバンクをしっかりやってもらいたい、こう思っているんですよ。
大臣、今そういう話をしておりまして、とにかく力ずくでも中小企業を守ってもらいたいという話を今しておったのでございまして、山本さん、だけれども、これは言い過ぎたなんて言わないでくださいよ。自分の言ったことに自信を持っていただいて、中小企業を助けるためにはやはり信用金庫、信用組合がお金を出せるようなシステムにしなきゃいけないと思いますよ。
ちょっともう一度、決意を述べていただいて、大臣とよく話し合ってくださいよ。まずここで、大臣に質問するくらいの気持ちで、はっきり大臣と話し合いをしてください。マイクを通してやってください。
●山本(明)大臣政務官
大変激励をいただきまして、ありがたく思っております。強い味方ができたと思っていますので、真剣に私もこれからは取り組んでいきたいと思います。
やはり中小の金融機関というのは中小企業とともに歩む金融機関でありますので、やはりこの中小金融機関を、リレバンの制度がどれぐらい功を奏してくるかはわかりませんが、少なくとも、大変今体質が強くなっていることは間違いありません。中小企業診断士等も大分養成しておりまして、そういった意味で、お金を中小企業に貸しやすくなってきておりますし、それだけの勉強もしっかりしておるということだと思いますので、しっかりと大臣にもお願いを申し上げまして、また大臣から何らかの答弁をいただければ答弁をいただきたいと思いますけれども、中小企業のために、金融機関をしっかりと活用していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
●中山(義)委員
つまり、地域の金融機関は、自己資本率四%を守る、それがいい信用金庫じゃないんですよ。いかに地域の産業を育てたり商店街を育てた金融機関がいい信用金庫なんでしょう、または第二地銀だと思うんですよ。やはり地域に根差してやっていくということは、地域の企業を育てる、地域の商業者を育てる、こういう視点に立たなきゃいけないわけですよね。
ですから私は、あるときに、金融庁ががんがん検査マニュアルで締めつけていく、お金を貸さないようにしていく。ところが、経済産業省は三十兆円、安定化資金として予算を組んだ。これは閣内不一致ですよね、考えてみれば。片方は金を貸すなと言っているんですよ、片方は金を貸せと言っているんですよ。しかも、銀行は何をしたかといえば、保証協会で保証されたお金をつけかえていく、とんでもないことを銀行はやったわけですよ。だから、善意の経済産業委員会がうまく利用されちゃったということですよね。
そこで、私は大臣にお願いしたいんですが、やはり、金融庁、このやろうというふうに、こらと言えなきゃいけないと思うんですね。今のやり方でまだまだ金融庁は、ああいうふうにうまいことは言っていますよ、こうやって貸すときにはできるだけお金を出させるようにしていますなんて言っていますが、実際はやはりぎりぎり検査マニュアルというのはきいているんです。そういう面では、もう一度大臣が金融庁と話して、もっとしっかり中小企業に金を回せということを大きな声で、しかも腕力も使って言っていただきたい、こう思うので、ひとつ決意をお願いします。
●中川国務大臣
まず、山本政務官の御発言は、私にとりましては山本政務官は中小企業のプロでございますので、私としては日ごろからいろいろ教えていただいておりますので、政務官の発言を私も深く受けとめさせていただきたいと思います。
それから、特に、地方というか、地域の中小の金融機関の、特に中小零細企業に果たす役割というものが極めて大きいということはもう大前提だと思います。
したがいまして、いろいろな手法で、八%、四%のBISルールというのは、ある意味では、海外プレーヤーが八で国内は四ぐらいにしなさいということを一時期随分振り回されましたけれども、とにかく中小企業が頑張っていることに対して、中小企業向けの金融機関、政府系も含めまして、文字どおりリレーションバンキングで、実態に合った形でやっていく。その上で、検査マニュアルあるいは金融庁の検査が必要以上に目的に影響なりマイナスを及ぼしてはいけないというのは、中山委員の御指摘と私は全く同じでございます。
幸いにして、多分当委員会の果たした役割、非常に大きかったんだろうと思いますけれども、例の検査マニュアルの別表は、随分中小企業金融機関向けに改善されまして、私が聞いている範囲では、大分よくなったと金融機関が言うのはある意味では変かもしれませんけれども、実態をよく判断してくれているというような声も実際に中小企業向けの金融機関のトップから聞いたこともございます。
しかし、それで不十分かどうかということは、引き続き中山委員初め当委員会での御議論を踏まえ、実態に合った形での金融庁と中小金融機関、あるいはその先の、我々の所管であります中小企業の発展のためにいい方法ができるように、さらに我々としても当委員会での御審議を注意深く拝聴したいと思っております。
●中山(義)委員
国際ルールが大切だということで、アメリカからいろいろなルールを押しつけられるということが大変大きな問題になっているということを御認識いただきたいと思うんです。つまり、中小企業、弱いものが必ずいろいろなつらい目に遭っているという現実があるわけですね。だから、農業者も、日本の場合は大きな組織でやっているわけじゃありませんから、農業のFTAなんかについても農業者が大変苦労するということがあり得ると思うんですね。そういう面でもその辺の配慮をぜひお願いしたい。
と同時に、この際ですから金融のことを申し上げますと、私たちは法律を出しました。お金を貸すときには貸し手の責任があるよ、説明をしっかりしなさいと。例えば、ここに書いてある連帯保証人というのはこういうことですよと。ところが、今までは、ここにちょっと名前を書いて判を押せばすぐ金を出しますよと。連帯保証人と書いてあるのに、よくそれを見ないで名前を書いて判こを押しちゃった。後どういうことになるか。連帯保証と単なる保証人とまた違いますからね。連帯保証というのはお金を借りた本人と全く一緒ですからね、第二債務者ですから。彼が逃げちゃった場合には、彼を追っかけろとかと言う資格はない。自分が払わなきゃならない。非常に大きな責務を負うんですね。だけれども、今までは、ここに名前を書いて判こを押せばお金を出しますよ、こういうことをやったんです。
それから、書面についても、裏側を見ると、約定書なんて書いてありまして、当行は法律によらず勝手に金利を上げますよ、勝手に保証人をふやしますよ、勝手に担保をふやしますなんて書いてある。だから、そういう書面も説明しながら渡していない。
それから、保証人の保証の範囲ですね。包括根保証とかいろいろありますね。こういうことについても説明がされていないんですね。
だから、私たちは金融の問題についても、大企業がやる金融と、中小企業が、要するにリレーションバンク、地域社会を守っていくために、地域の商店街や地域の商業、工業を守っていくためにやっているものとは違うんだという認識をしっかり持っていただいて、BIS規制についても、やはり八%、四%とありますが、本当に四%が正しいんだろうか、この辺も、むしろ経済産業委員会から私は提言を出したいと思っているんですよ。
これは経済産業委員会じゃなくて財金の方でやっていますが、案外わからないんじゃないですか。中小企業をしょっちゅう見ている人しかわからない金融というのがあるんですよ。おじさん、おばさんがこうやってラーメンをつくっていて、それでお金を借りるわけです、その合間に。だから、説明がなきゃ、わからないで判こも名前も書いちゃうんですよ。だから、そういう、ラーメンをやりながらもお金を借りるということがどういうことなのか把握した人しか本当のリレーションバンクのことはわからない。そういう面では経済産業省から提言をしてもらいたいと思うんですね。
だから、中小企業に対する金融、我々ももっとこれからもこの委員会で提言をしていきたい、このように思うわけで、大臣、もう一度、中小企業を思いやる気持ちをぜひここで決意を述べていただきたいと思います。
●中川国務大臣
日本は、文字どおり、事業者数でも雇用者数でも中小企業が日本の経済を支えているということであります。
最近は、発展途上の国々の大臣なり経済界の代表の方が来ると、単に援助とか何とかということじゃなくて、中小企業をその国で発展させていきたいから、いろいろな技術的、人的な支援をしてもらいたいという要望が私に物すごく多いんですね。したがって、ある意味では、その発展途上国のかぎを握るのはその国の中小企業という、まさに岩盤的な存在、しっかりした存在として発展していくかどうかがその国の発展につながっていくんだなということを私自身強く感じているわけであります。
そうしますと、中小企業、そしてそれに関係する中小企業金融というものは、何も日本だけの問題ではなくて、発展途上国を初め、もちろんヨーロッパやアメリカにも中小企業はあるんでしょうし、そういう観点から、真に中小企業の発展のための中小企業金融というものはどういうふうにあるべきなのかということを、さっきの八%、四%の議論は別として、一般論として、私は、国際的にも、ある意味では日本がリーダーシップをとって考えていく、あるいはまた、発展途上国のためにもお役に立つような役割を果たしていければいいなと最近考えているところでございます。
●中山(義)委員
本当に中小企業を思いやる気持ち、大臣からもその意気込みを聞きました。
私自身は、今度は新潟の小千谷も行きましたけれども、商店街も今がたがたなわけですよ。日本の商業というものは、やはり育てるというよりも、今熟成の時期にあるわけですね。しかし、その熟成の時期が、ヨーロッパと同じように、高齢化社会を迎えてだんだんだんだん疲弊している、このときに地震があったわけですね。ですから、その痛手というのは非常に大きいわけです。
私たちも、経済を立て直すというのも経済産業省の仕事だと思うんですね。災害があったということはもう現実で、その災害は終わっているんです。この今の状況から、本当に経済というものを一から立て直すというのは大変なことだと思うんですね。私は、そういう面でも経済産業省が中心になって、経済を一から立て直すということはどういうことなのか真剣に考えてみると、これからの日本の将来もわかると思うんです。ですから、災害地に目を向けて、今あそこまで、どん底までいった経済というものをどうやったら回復できるのか、ある意味では、これは大変すばらしい資料が後々できると思うんですね。
そういう面でも、今回の商店街のああいうような災害についても、ぜひ大臣もこの委員会で実際視察をして、そして、どこをやったら、どういうふうにしたら経済がもとのものに戻るか、こんなことも検討していただきたいと要望いたしたいと思います。
それでは、今度、二番目の質問に移りますが、いつもアメリカとの交渉の問題については日本が押し切られる、そういうような印象を日本人はみんな持っていると思うんですね。BSEの問題でも、やっと日本の牛肉は安全だという、みんな安心して焼き肉屋に行っていると思うんですよ。タンであろうと何であろうと安心して頼んだ。しかしながら、また何となく、アメリカの牛肉を拙速に輸入をすると、ちょっと心配だなと。
今まで、全頭検査は当たり前、危険部位は全部除去する、こういうふうにやってきたわけですよ。長年ずうっと我々が肉の安全を守ってきたのに、この一、二年の間ですかね、何かアメリカに押し切られたというよりも、小泉さんが、私はブッシュさんを応援していると応援を言いましたね。それと同時に、要するに、牛肉を輸入することを宣言することが選挙にプラスだと。こんなことで、今までの厳しい検査や何かを見直ししてまでアメリカから輸入するという根拠が、非常に選挙に関連しているということで、私は不純だというふうな気がするんですね。こんなことがあったら、日本の農業者も、せっかく食の安全を求めてやってきた焼き肉屋のおやじさんたちも、みんな文句を言っているんですよ。その辺、大臣、どうですか。
●中川国務大臣
ほかのことは私は報道でしか知りませんけれども、きょう農水が来ていないので、ちょっと所管外かもしれませんが、先日の十一月初めの日米のBSEの実務者協議に関して、総理はアメリカの言うとおりにしろという指示は出していないというふうに私は聞いております。あくまでも科学的な話し合いとしてきっちりやりなさいという指示を日本の側の交渉者に言ったという話を私は聞いております。
焼き肉屋さんが困っている。困っているというのは、信頼性の問題で困るということと、焼き肉用の肉が入ってこないという意味で困っているのと二つあって、これを何とか二つともクリアしたいというのが私どもの政府の考え方であるわけであります。
そういう中で、先ほど、日本が交渉でよくアメリカに攻められているという話がありましたが、そういう面もあったことも事実だと思いますが、私、率直に考えるのは、日本側から積極的に動かなかったということが結果的にそういうことになったということもあります。去年の十二月の末にアメリカのBSEが発覚して以来、それ以来、結局、大統領選挙の二、三日前まで一つの区切りにならなかったというのは、アメリカ側にも日本側にもいろいろ話の違いがあったにしても、やはりこういう交渉というのは、いずれにしても、大統領選挙は日本にとっては関係ございませんけれども、日本側にとっても、消費者あるいは焼き肉屋さんを初めとする多くの関係の皆さんにも多大な関心事項のあるところですから、やはりスピード感を持って対応していくということが大事ではないか。所管外なので、ちょっと言い過ぎの発言かもしれませんけれども、率直に私はそう思います。
●中山(義)委員
ブッシュ大統領が再選されて、ブッシュさんと小泉さんの関係でいけば、非常に友好的に、BSEの問題を解決しながらうまくいった、こう思っているんでしょうけれども、国民としてはちょっと、非常に心配だ、こう思っていると思うんです。ですから、通商の問題が、ブッシュ、小泉の関係で変にアメリカの要求が多く押しつけられるんじゃないかという、そんな気持ちが一つはあるんです。
反面、いや、もともと民主党が年次改革要望書なんというのをクリントン時代につくっていましたから、むしろ通商関係ではこれはクリントンの方が、あのときの方が厳しかったんじゃないかというような部分もあるわけですね。ですから、ケリーさんが当選すると今度は通商関係は厳しくなるのかなという、そんなことも報道には書いてありました。
ここで一応、ブッシュ、小泉のこういう関係が、これからの通商の問題で、何でもかんでも妥協しちゃう、アメリカの言いなりになる、こういうようなことが懸念されているような感じもしないでもないんですね。そういう面でも、友好というものが、経済産業の通商という、国益という観点だけでやれればいいですよ。ところが、外務省や安全保障という観点から、アメリカとけんかするな、うまくやってくれというような話し合いが、さっき言ったように窓口がいろいろあると、いろいろな話し合いになってくると思うんですね。
今回の一九一六年の問題なんかについても、絶対にそういうことはないんでしょうね。例えば外務省が、これは余りがたがたやるなよなとか、適当なところでやってくれとか、または、余り大きな問題で、外国との紛争、日米の経済摩擦の紛争みたいにというようなことがもしこのブッシュ、小泉さんの間にいろいろそういう問題としてあると、私たちは非常に不愉快な思いをするわけで、そういうことは絶対ないと思いますが、ブッシュさんが再選されたことによって通商問題がどうなるか、先行きをちょっと御説明いただきたいと思います。
●中川国務大臣
まず、この法律は、アメリカ政府も廃止の意向を出しているということが一つ。それから、内閣として国会にお出しをしているということは、総理大臣、外務大臣、私ども全閣僚が署名をしているわけでございますから、今、中山委員御指摘のようなことはない、あったらおかしい話だと私は思っております。
今後のブッシュ政権との間、今予測できることは、WTOの問題、あるいは間接的にFTAと、アメリカは関係ないんですけれども、間接的にアメリカがFTAに関してどういう動きをしてくるのか。アメリカも今猛烈な勢いで各国とやっておりますので、そんなようなこと。それからBSEが、確かに、アメリカの十一月の初めの交渉の成果という認識と日本側の認識との間にずれがあって、これは日本政府としてはアメリカ側の認識が正しくないというふうに報告を受けております、どちらが本当かは別にいたしまして。
今後はどういうことになるか。あえてこの場で、通商交渉というか通商問題が出てこないとは言いませんし、出てきたときに本音できちっと話ができるというのがまさに友好関係であって、何もないことが友好関係だとは私は思いません。何かあったときに本音で、私もゼーリックさんと随分机をたたいて議論、交渉をしたわけでございますけれども、本音で言って、いい結果にお互いなっていくことが真の意味の有意義な関係だと思っております。今後何が出てくるかわかりませんけれども、出てきたときには私もできるだけ本音で先方と交渉していきたいと思っております。
●中山(義)委員
今、何が出てくるかわからないという話がありましたけれども、私たちがちょっと心配しているのは、この間も新聞にちょろちょろっと出ていたんですが、スーパー三〇一条、これは本当に今度の問題なんか比じゃないですよ。そういう面で、まさかスーパー三〇一条なんというのが復活するような話が若干出ていたので心配なんですが、これは、さっき言った、何が出るかわからないというその言葉の中に、こんなことだけはもうどんなけんかをしても絶対拒否をしていただきたい、こう思うわけですが、その辺はいかがでしょうか。
●平田大臣政務官
不公正な貿易慣行、障壁を有すると疑われる国に対して制裁措置をとることが可能となるのがスーパー三〇一条で、ブッシュ政権下ではこれはもう失効をしておるわけでございます。今次の大統領選挙におきまして、ケリー民主党候補の方がその復活について言及をされておられました。
しかしながら、自由貿易の推進を公約として掲げるブッシュ大統領が再選をされましたので、それが復活する可能性は小さいというふうに我々は承知しております。
●中山(義)委員
そういうふうにいかせるように、もう絶対的に力を結集してやってもらいたい、こう思います。
ただ、やはりこれからの日米の通商の問題というのはどうなるか、よくわからないんですよね。私たちも、いつも見ていますと、商法の改正がこれから二〇〇六年にあったり、いろいろなことがだんだん見えてくると、大変なことが起こるんじゃないかと。よくハゲタカファンドと言っていますが、外国資本が日本を非常にねらっている。
この間、亀井先生がある場所で大演説をやっているわけですよ、今に日本もイギリスと同じになっちゃうぞと。イギリスの電力も、それから交通もみんな外国資本だ、これをウィンブルドン化現象と言って、今、日本も同じようにハゲタカファンドがねらっている、商法改正はとんでもないというようなことを、小泉倒閣運動みたいな演説をやっているんですよ。私も思わず拍手しちゃったんですけれどもね。商法改正であるとか、これからのアメリカからいろいろやってくる年次計画ですね、よく、日本の将来というのは、アメリカの年次改革要望書、これを見るとわかるというんですよ。要するに、アメリカがイニシアチブをとって、だんだんそのとおりになっていくというふうに言われているんですね。
そういう面でも、私たちは、商法改正を初めとして、これからいろいろなことが起きてくるときに、日本の独自性とか、アメリカに対してしっかり、やらないものはやらないとか言えるような体制をしっかり整えてもらいたいんですが、先ほど言ったように、そういう話があると大臣が三人も四人も並んで、だれが責任者かわからない。これはまずいんですね。そこはやはり一番はっきり物の言える経済産業大臣が、通商のことに関しては一切、おまえ、余計なこと言うな、おれが全部日本のために、国益のためにしっかりやる、こう言う人がいないと困るわけですよ。
総理大臣は何かブッシュさんと余りにも仲がよ過ぎて、何か言えば全部聞いちゃう。そのときも言っていましたけれども、イラク戦争は大義なき戦争だ、しかし、ブッシュと小泉さんが話をして、あそこへ自衛隊を送った、こういうふうに亀井さんが言っていたんです。でも、そういうふうに全部ブッシュさんと小泉さんがやっているというような風潮でやられたら、やはり大臣はおもしろくないでしょう。通商の問題はおれがやっているんだというふうにやはりもっと自信を持って、これから、何人も大臣がいて、わけのわからない交渉だけはやってもらいたくないと思うんですね。
私ら、いつも新聞を見ていてもだれが責任者だかわからないんですね。実際委員会へ来ると別々の委員会で聞くわけでしょう。一緒の委員会で私が責任者でと、こういうことはないわけですよ。だから、日本の国というのはだれが責任者かわからない。そういう面で、通商関係に関しては、常にやはり経済産業省が責任を持つようなファイトを持ってもらいたいと思うんですが、大臣、どうですかね。
●中川国務大臣
私の所管のところはもちろん私が責任を持ってやりますし、農業に関しては農林水産省、それから人の問題は今度東南アジアとの間でいろいろ出てまいっておりますけれども、それぞれ所管があるわけでございまして、これは今はそういう交渉にするというのが日本の法律で決められているわけでございます。もちろん、通商一般、経済産業省として通商というものも一般論として所管をしているわけであります。
先ほども申し上げましたが、シンガポールを外で見ていましても、またメキシコを実際やっても、私は、外務大臣、農水大臣と本当に連携をとって、何回も総理のもとに三人で行ったりして、支障はなかったと思っております。そして、メキシコでフォックス大統領と小泉総理大臣が署名をされたということは、私もメキシコの大臣と電話で何回かその後会談をいたしましたけれども、本当に感動的な場面であったというふうに考えております。
今後、どうなっていくのかということにつきましては、そういうような支障がないような交渉をいずれにしてもしていかなければならないということでございますが、通商は、全体としてUSTRのように一人が議会の承認を得た上でやっていくということがいいのかどうかということは、最終的には総理の御判断だろうというふうに思っております。
●中山(義)委員
今のお話よくわかりました。
ただ私は、さっきから言っているのは、ブッシュ、小泉が蜜月状況で非常に仲がいい、だから通商が、交渉もつい妥協しがちだと。私は、そういうことがないようにお願いをしたいということを言っているんですね。
例えば京都議定書でも批准しない、それから国際刑事裁判所でも、アメリカはそういうことをやらないわけですね、一緒になって。だから、外国の、世界のルールというものに必ずしもアメリカがすべて協力しているわけじゃないわけですよ。
だから、今回の一九一六年のADのように、本来はもうWTOでも協定違反だと、こういうものはアメリカの法律の中にも随分あるんじゃないですか、通商上。こういうものは徹底的に洗って、やはりアメリカとやり合ってもらいたいんですよ。今回だって、これは遅きに失したと言われてもしようがないですよ。
本来だったら、そういうのがあったら、おかしいじゃないかと日本がはっきり物が言える国になってなきゃいけないんですが、先ほど小此木先生に何にも質問しなかったので、ちょっとこの点について答弁をいただきたいんですけれども。
●小此木副大臣
お答えいたしますが、この点、今議論されています一九一六アンチダンピング法、こういったたぐいの法律というのは、バード修正条項などがございまして、こういった法律について、やはり日本としては、しっかりと順序を経て、やるべきこと、つまりWTOでそういう違反だということが確定をしたことが事実として判明した場合に、やはり順序を経て、公式の場あるいは非公式の場、先生はもっと二国間でも強い日本としての意思を表明すべきだということを主張されているというふうに思いますが、私も全く同感でありまして、それが日本の国益になるものということであるのであれば、改めてそこには力を入れていかなきゃならないというふうに考えております。
●中山(義)委員
本当に、アメリカが要求してくるものが必ずしも国際社会のルールではないということをやはり考えなきゃいけないと思うんですね。私たちは、アメリカのスタンダードが要するにグローバルスタンダードだと押しつけられてきたわけですよ、結構。それが地元の中小企業なんかが大変疲弊する原因にもなっているということも一つあるんです。
そういうことで、アメリカの要求がすべて世界のルールではないということをまず御認識をいただきたいのと、逆に言えば、そろそろ、きょうは委員長にもお願いしたいんですが、WTO協定違反のものがもしアメリカにあるのであれば、そういう資料を即刻出させていただいて、そういうものについては、私たちもはっきり、経済産業大臣から、これは協定違反じゃないかと。こういうものはしっかり交渉のところにのっけるべきだと思うんですよ。そういう面でも、委員長、後で理事会にでもかけて、WTO協定違反のルールが、もしまだアメリカでそういう法律があるとすれば、やはり事前に我々に報告していただいてやるべきだと思うんです。今回だって本当は遅いんですよ。ヨーロッパがやる前になぜ日本が先にできないのか。ヨーロッパができることは日本ができるじゃありませんか。
それと同時に、もう一つは、必ずヨーロッパ側からもアメリカの言っていることを見てくださいよ。いつも日本だけが考えないで、ヨーロッパと一緒になってなぜできないのかと思うんです。一対一じゃなくて、こっちが五対一だったら強いでしょう。綱引きと同じですよ、多い方が強いんです、大体。体重が多い方が。
だから、そういう面で考えてみると、常に日本だけで勝負するんじゃなくてヨーロッパも引き入れる、少し知恵を使っていただきたい、このように思うわけでございまして、今後、アメリカに対して、日本がいつも妥協するのではなくて、友好的なことは大事ですが、言うべきことは必ず言うと。それから、小泉さんとブッシュさんの関係も、大変仲のいい、いい関係だとはいいますが、それが障害になって我々が簡単にアメリカの言うことをねじ込まれた、こういうことのないようにお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
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