2003年09月08日
迷路に入った小泉総理 - 議事堂への落雷は、天の怒りか? -
黄昏迫る国会議事堂の独り言
〜議事堂生活30年、政策秘書久米さんからの寄稿〜
今日9月8日、自民党総裁選挙の告示日である。小泉内閣の施政に反対して亀井静香前政調会長、藤井孝男元運輸大臣、高村正彦元外務大臣が立候補を表明した。
三侯補に共通した政策方針は「多くの国民が苦しんでいる現状のデフレ状況を処方しないで、行政改革を先行させるのは日本を滅ぼす」「地方の声に耳を傾け、公共事業は優先順位をつけてやらなければならない」の二点に集約されている。
しかし少し中身を凝視して見ると、非常にドロドロした権力争いの姿が見えてくる。
それは自民党最大派閥の橋本派(旧田中・竹下派)が小泉支持と反対派に分裂し、保守本流を自認する旧宏池会・現堀内派が自前侯補を立てずに小泉支持を表明したことである。
橋本派(旧田中・竹下派)はかつて鉄の団結を図り、最大派閥として日本の政治をコントロールしてきたが、田中・竹下・橋本・小渕総理以後は総裁・総理の誕生に決定権を持ちキングメーカーとして君臨してきた。
長年竹下氏の秘書をしてきた青木幹雄参議院自民党幹事長が、いち早く小泉総理指示を表明した背景には、ゲスの勘ぐりではあるが「二年前の参議院議員選挙は小泉総理の顔で勝利できたのだから、来年の参院選挙ももう一度という期待感。」「参議院の自民党は単独過半数がないのだから、それを束ねている幹事長の俺の話を小泉は無視できないはずだ。」また堀内会長のインタビューでは「私の政策と小泉さんのそれと良く似ているから」である。二人とも声を上げて公にはしていないが内心いろんな要求があるはずだ。それは総裁選挙後に行なわれる内閣改造に関しても、自分の推薦する人物は入閣させてくれとか、国会は議院内閣制なのだから民間からの閣僚登用は止めて国会議員で組閣してくれとかである。
自民党の長老が何も小泉総理と打合せしないで、「無条件で支援します」とは考えられない事である。この事が「小泉総理がアリ地獄に落ちた」点である。
小泉総理は常日頃「自民党を壊す」と公言しているのに、その壊される自民党の長老が自分の存在基盤が無くなるのに無条件で小泉を支援する?永田町は本当にわからない世界である。いずれにせよ小泉総裁がこの両者の「暗黙の要求を飲めば、小泉氏は今まで批判してきた自民党の守旧派・反対勢力に成り下ってしまい、国民の期待感を裏切る事になる」し、また「国民の淡い期待感を繋ごうとして、今まで通りの路線を進めば二人からは、あの裏切り者・嘘付き目」と憎悪されるのである。亀井氏は二年前の総裁選挙の決戦投票で下りて小泉支持に回ったが、いまさら「約束をホゴにされた」とテレビ等で叫んでいる。
総裁に当選しても地獄・落ちても地獄。それが今の小泉氏である。
自民党所属の国会議員で、自民党の総裁が「自民党を壊す」とは? 国民・有権者はこの自己矛盾的なスローガンに惑わされてはならない。世論調査に見る小泉内閣の高い支持率と
自民党は別物だというハッキリした認識を持ち、来る衆・参の選挙には一線をかくした投票行動がもとめられる。